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Azure Managed Disks

Azure VM にアタッチする永続ブロックストレージ。容量や冗長性を Azure が管理し、スナップショットでバックアップできる。AWS の EBS に相当。

中級信頼性パフォーマンス効率コスト最適化セキュリティ
最終更新: 2026-06-03公式ドキュメント ↗
TL;DR要点だけ先に
  • 1.Azure VM に取り付ける永続ブロックストレージ。
  • 2.VM 停止後もデータが残り、増分スナップショットで保護。
  • 3.AWS EBS 相当。SKU は最安 HDD〜超高速 Ultra の5種類。

解決する課題

物理ディスクの調達や、ストレージアカウントの IOPS 上限・命名管理を意識せずに、永続ディスクを必要なだけ確保できます。

  • VM を停止/割り当て解除しても OS やデータを残したい
  • OS やデータベースを置く 高性能なディスクが欲しい
  • ストレージアカウントの スケール上限を自分で管理したくない(Azure が裏側でプロビジョニング)
  • ディスクを バックアップ・複製したい(スナップショット / イメージ)

主要概念と用語

  • ディスクの種類(SKU): Ultra DiskPremium SSD v2Premium SSDStandard SSDStandard HDD の5種類。性能と価格が異なる
  • OS ディスク / データディスク / 一時ディスク: 起動用の OS ディスク、追加のデータディスク、そして VM ローカルの揮発性な一時ディスク(temp)
  • スナップショット: ある時点のディスクの読み取り専用コピー(フル / 増分)。Incremental スナップショットが推奨
  • マネージドイメージ / Azure Compute Gallery: ディスクから作る再利用可能なイメージ。複数リージョン・複数バージョンの配布に対応
  • ディスク暗号化: 既定で有効な SSE(プラットフォームマネージドキー)、カスタマー管理キー(CMK)、ゲスト内暗号化の Azure Disk Encryption(ADE)、両方を組み合わせる二重暗号化
  • 共有ディスク(Shared Disks): 複数 VM から同時アタッチ(クラスタ用途。AWS の EBS Multi-Attach 相当)

仕様・制限・クォータ

  • 単一リージョン内のリソース。別リージョンへはスナップショット/イメージのコピー経由で移動
  • 既定では 1 つの VM にアタッチmaxShares を設定した共有ディスクのみ複数 VM 同時アタッチ可
  • ディスクサイズの 拡張は可、縮小は不可(OS ディスクの拡張は一部 VM で再起動が必要)
  • 性能は サイズに連動する階層(P10/P20… など) で決まる方式(Premium/Standard SSD・HDD)と、サイズと独立に IOPS/スループットを設定できる方式(Premium SSD v2・Ultra Disk)がある
  • サブスクリプション/リージョンごとにディスク容量・台数の クォータがあり、引き上げ申請が可能
  • Ultra Disk・Premium SSD v2 は対応リージョン/可用性ゾーンが限られ、利用には対応 VM サイズが必要

内部の仕組み

マネージドディスクはネットワーク接続のブロックストレージで、Azure Storage 上に冗長化されて保存されます。物理ホストから独立しているため、VM を割り当て解除してもデータは残ります。「マネージド」とは、従来必要だった ストレージアカウントの作成・IOPS 上限管理・BLOB 名の管理を Azure が肩代わりすることを指します。

対照的に 一時ディスク(temp、Windows なら D:、Linux なら /dev/sdb は物理ホスト直結のローカル SSD で高速ですが 揮発性(再デプロイ・割り当て解除で消失)です。

冗長性は SKU により LRS(ローカル冗長=同一データセンター内3重) が基本で、一部 SKU は ZRS(ゾーン冗長=3つの可用性ゾーンに複製) を選べます。スナップショットは増分でストレージに保存され、別リージョンへのコピーやイメージ作成の土台になります。

マネージドディスク と 一時ディスクの違い

永続が必要なデータは必ずマネージドディスク(または Blob/Files)へ。一時ディスク(temp)は揮発性なので、ページファイルやスワップ・キャッシュなど消えても困らない用途に限定します。

設計パターン / ベストプラクティス

  • 汎用の本番 OS/データディスクは Premium SSD、コスト/性能比を重視するなら Premium SSD v2(容量と IOPS/スループットを独立して設定でき割安)
  • 高スループットが必要な DB は 複数データディスクをストライピング(Windows は記憶域スペース、Linux は LVM/mdadm)して IOPS を合算
  • 可用性ゾーン障害に備えるなら ZRS ディスク、または別ゾーンへスナップショット復元
  • 定期 増分スナップショット + Azure Backup で世代管理とアプリ整合性バックアップ
  • 重要データは CMK(カスタマー管理キー) で暗号化し、鍵を Key Vault で管理

運用・監視

  • Azure Monitor でメトリクスを監視: OS Disk IOPS Consumed Percentage / Data Disk IOPS Consumed PercentageDisk Queue Depth、スループット系メトリクス
  • 性能不足は SKU 変更(Standard→Premium、Premium→Premium SSD v2/Ultra) やサイズ階層の引き上げ、Premium SSD v2/Ultra なら IOPS/スループットの動的調整で対応
  • ホストキャッシュ(ReadOnly / ReadWrite / None)を用途に合わせて設定(OS/読み取り中心は ReadOnly、ログディスクは None)
  • スナップショットから別ゾーン/別リージョンへ復元してゾーン障害・リージョン障害に備える

コスト

ディスクは プロビジョニングした容量に対して課金され、SKU によって IOPS/スループットの扱いが変わります。VM を停止(割り当て解除)してもディスク課金は継続する点に注意します。

ディスク種類課金の考え方向いている用途
Standard HDD容量+トランザクション課金。最安アクセス頻度の低いバックアップ/開発
Standard SSD容量ベース。HDD より安定した遅延軽負荷な Web/業務サーバー
Premium SSD容量=性能の階層課金(P10/P20…)本番の OS/DB ディスク全般
Premium SSD v2容量+IOPS+スループットを個別課金性能を細かく最適化したい本番
Ultra Disk容量+IOPS+スループットを個別課金超低遅延・高IOPSのミッションクリティカル
  • 性能要件に合わない過剰な SKU を避ける。階層課金の Premium SSD より Premium SSD v2 の方が安くなるケースが多い
  • 不要ディスク(VM 削除時に残った孤立ディスク)と古いスナップショットを削除。スナップショットは 増分(Incremental) にして保存コストを抑える

セキュリティ

  • 保存時は 既定で SSE(サーバー側暗号化/プラットフォームマネージドキー) が有効。要件に応じ CMK二重暗号化、ゲスト内の Azure Disk Encryption(BitLocker/dm-crypt) を選択
  • 暗号鍵は Azure Key Vault(または Managed HSM)で管理し、ローテーションを運用
  • ディスク/スナップショットの操作は Microsoft Entra ID + RBAC で最小権限に制御。スナップショットの共有は SAS ではなくロールベースで限定
  • スナップショットは元ディスクの暗号化設定を継承する。共有・エクスポート時に平文へ復号しないよう注意
アンチパターン

スナップショットを 匿名アクセス可能な SAS URL で広く共有 したり、暗号化なしのディスクを本番で使うのは NG。鍵を持たない相手にデータが渡るリスクがあります。共有は RBAC で限定し、保存時暗号化(SSE/CMK)を必ず有効にしてください。

関連サービス・比較(AWS との対応)

観点Azure Managed DisksAmazon EBS
位置づけVM 用の永続ブロックストレージEC2 用の永続ブロックストレージ
汎用 SSDPremium SSD / Premium SSD v2gp3 / gp2
高性能 SSDUltra Diskio2 / io2 Block Express
HDDStandard HDDst1 / sc1
複数アタッチ共有ディスク(maxShares)Multi-Attach(io1/io2)
バックアップ増分スナップショット / Azure Backup増分スナップショット(S3)
冗長性LRS / 一部 ZRS単一 AZ(標準)
暗号化SSE 既定 + CMK(Key Vault)KMS で保存時暗号化

ハンズオン / CLI例

# リソースグループを作成
az group create --name demo-rg --location japaneast

# 暗号化された Premium SSD のデータディスクを作成(128 GiB)
az disk create \
  --resource-group demo-rg \
  --name demo-data-disk \
  --size-gb 128 \
  --sku Premium_LRS \
  --location japaneast

# 既存の VM にデータディスクをアタッチ
az vm disk attach \
  --resource-group demo-rg \
  --vm-name demo-vm \
  --name demo-data-disk

# 増分スナップショットでバックアップ
az snapshot create \
  --resource-group demo-rg \
  --name demo-snap \
  --source demo-data-disk \
  --incremental true

# 稼働中にディスクサイズを拡張(拡張のみ、縮小は不可)
az disk update \
  --resource-group demo-rg \
  --name demo-data-disk \
  --size-gb 256

Azure Service

Azure Managed Disksを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

ストレージ

比較で見る軸

クラウド: Azure / カテゴリ: ストレージ / 難易度: intermediate

導入後に効く点

VM 停止後もデータが残り、増分スナップショットで保護。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
Azure
カテゴリ
ストレージ
難易度
intermediate
関連資格
設計柱
reliability / performance / cost / security

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「ストレージ / reliability」に近いか確認する。
  • 強みである「Azure VM に取り付ける永続ブロックストレージ。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

ストレージreliabilityperformancecostsecurity

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