DNS(ドメイン名の名前解決)
「example.com」のような名前を、通信に必要なIPアドレスへ変換する“インターネットの電話帳”。Webアクセスの一番最初に動く仕組み。
基礎名前解決DNSインフラ最終更新: 2026-06-04
TL;DR要点だけ先に
- 1.DNS は ドメイン名(example.com)を IPアドレス(93.184.216.34)に変換する“インターネットの電話帳”。
- 2.問い合わせは ルート → TLD(.com) → 権威サーバ と辿り、結果は TTL の間キャッシュされる。
- 3.レコードの型で用途が決まる:A=IPv4、AAAA=IPv6、CNAME=別名、MX=メール、NS=委任。
何を解決する?
IPアドレスは数字の羅列で覚えられず、サーバ移転で変わることもあります。DNS があるおかげで、
- 人は 覚えやすい名前 だけ知っていればいい
- 裏側のIPが変わっても、DNSの向き先を変えるだけ で追従できる
- 1つの名前を 複数IP に分散(負荷分散・冗長化)できる
名前解決の流れ
ブラウザに www.example.com と入れてから、IPが返るまでの典型的な流れです。
- キャッシュを確認(ブラウザ → OS → 近くのDNSキャッシュサーバ)。あればそれで終了
- なければ フルサービスリゾルバ(キャッシュDNS) が代理で探しに行く
- ルートサーバ に聞く →「
.comの担当(TLDサーバ)はこっち」 - TLDサーバ(.com) に聞く →「
example.comの担当(権威サーバ)はこっち」 - 権威サーバ が
www.example.comの IP を返す - リゾルバは結果を TTL の間キャッシュ して、ブラウザへ返す
再帰問い合わせ と 反復問い合わせ
あなたの代理で「分かるまで聞いて回る」のがリゾルバの再帰問い合わせ。各サーバが「次はここに聞いて」と委任を返すのが反復問い合わせ。役割が違います。
主要なレコードの型
| レコード | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| A | ドメイン → IPv4 アドレス | example.com → 93.184.216.34 |
| AAAA | ドメイン → IPv6 アドレス | example.com → 2606:2800:... |
| CNAME | 別名(エイリアス) | www → example.com |
| MX | メールの宛先サーバ | example.com → mail.example.com |
| NS | そのゾーンの権威サーバを委任 | example.com → ns1.dns.example. |
| TXT | 任意のテキスト(SPF/所有権確認等) | v=spf1 include:... |
TTL とキャッシュ
各レコードには TTL(Time To Live) が付いていて、「この秒数はキャッシュしてよい」という意味です。
- TTL が長い → 反映は遅いが負荷は軽い
- TTL が短い → すぐ切り替わるが問い合わせが増える
切り替え前は TTL を短く
サーバ移転やフェイルオーバーの前に TTL を短く(例: 300秒)しておくと、切り替え時に世界中のキャッシュが早く新しいIPへ追従します。逆に普段は長めが定石。
つまずきポイント
- 「DNS 浸透(propagation)」は実は誤解 で、正体は 古いTTLのキャッシュが切れるのを待っている だけ
- CNAME はゾーン頂点(apex /
example.com自体)に置けない のが原則(各社は ALIAS/ANAME 等で回避) - 名前解決ができないと、サーバ自体は生きていても「つながらない」。まず
dig/nslookupで切り分け
ハンズオン
# example.com の A レコードを引く
dig example.com A +short
# 権威サーバに直接聞く(キャッシュを介さない)
dig @a.iana-servers.net example.com +norecurse
# 問い合わせの流れ(委任)を辿る
dig +trace example.com
ネットワーク Article
DNS(ドメイン名の名前解決)を実務で読む
TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。
解決すること
名前解決
比較で見る軸
難易度: basic / カテゴリ: ネットワーク / タグ数: 3
導入後に効く点
問い合わせは ルート → TLD(.com) → 権威サーバ と辿り、結果は TTL の間キャッシュされる。
先に潰すリスク
用語だけ覚えても、設計・実装・運用でどこに効くかを確認しないと判断を誤る。
数字・仕様の読み方
- 難易度
- basic
- カテゴリ
- ネットワーク
- タグ数
- 3
判断チェックリスト
- 自社の用途が「名前解決 / DNS」に近いか確認する。
- 強みである「DNS は ドメイン名(example.com)を IPアドレス(93.184.216.34)に変換する“インターネットの電話帳”。」が本当に評価軸になるか確認する。
- 注意点の「用語だけ覚えても、設計・実装・運用でどこに効くかを確認しないと判断を誤る。」を運用で吸収できるか確認する。
- 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
- 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
- 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。