ソフトウェアの製品プロフィール

Figma

制作ツール / デザイナー・制作者

Figma は、ブラウザ上で動くデザインツールで、Web サイトやアプリの画面(UI)設計とプロトタイプ(操作できる試作)作りを、複数人が同時に進められる点を最大の強みとする製品です。デザイナーと開発者が同じファイルを見ながら作業できるため、UI デザインのデファクトに近い位置を占めています。

3つの要点
TL;DR
  1. リアルタイム共同編集: 同じ画面を複数人で同時に編集でき、各自のカーソルと変更がその場で全員に反映される。Google ドキュメントの体験を画面設計に持ち込んだ点が核心。
  2. プロトタイプ作成: 画面同士を矢印でつなぎ、クリックや遷移・簡単なアニメーションを伴う「操作できる試作」として動作を確認できる。
  3. UI・画像・映像・3D制作に向く

製品の概要

製品の立ち位置

Figma のロゴ
製品・技術の概要FigmaFigma は、ブラウザ上で動くデザインツールで、Web サイトやアプリの画面(UI)設計とプロトタイプ(操作できる試作)作りを、複数人が同時に進められる点を最大の強みとする製品です。デザイナーと開発者が同じファイルを見ながら作業できるため、UI デザインのデファクトに近い位置を占めています。
月間利用者
1,300万人2025年3月
売上
$821MFY2024
Fortune 500
95%利用比率
この製品の強み
リアルタイム共同編集: 同じ画面を複数人で同時に編集でき各自のカーソルと変更がその場で全員に反映されるGoogle ドキュメントの体験を画面設計に持ち込んだ点が核心プロトタイプ作成: 画面同士を矢印でつなぎ、クリックや遷移・簡単なアニメーションを伴う「操作できる試作」として動作を確認できる。
向いている場面
UI画像映像3D制作UI デザインの定番(協働)
提供形態
制作ツール
主な対象
デザイナー制作者
比較の中心
表現力と共同作業
カテゴリ
デザイン / クリエイティブ
公開資料の確認値Figma S-1

選定ガイド

選定ポイント

採用する理由と、事前に受け入れるべきトレードオフを分けて確認します。

採用に向く条件

選ぶ理由

  1. リアルタイム共同編集: 同じ画面を複数人で同時に編集でき、各自のカーソルと変更がその場で全員に反映される。Google ドキュメントの体験を画面設計に持ち込んだ点が核心。
  2. プロトタイプ作成: 画面同士を矢印でつなぎ、クリックや遷移・簡単なアニメーションを伴う「操作できる試作」として動作を確認できる。
  3. コンポーネントとバリアント: ボタンなどの部品を共通化し、状態違い(通常・ホバー・無効など)を「バリアント」としてまとめて管理でき、デザインの一貫性を保ちやすい。

事前に確認する条件

考慮すべき点

  1. 学習コストとファイル互換を確認
  2. 既存環境との互換性と移行方法を確認する
  3. 初期費用だけでなく運用負荷まで比較する

詳しい解説

製品を詳しく理解する

どんなソフトか

Figma は、ブラウザ上で動くデザインツールで、Web サイトやアプリの画面(UI)設計とプロトタイプ(操作できる試作)作りを、複数人が同時に進められる点を最大の強みとする製品です。デザイナーと開発者が同じファイルを見ながら作業できるため、UI デザインのデファクトに近い位置を占めています。

横にスクロール

Figmaの各クライアントが編集操作をサーバーへ送り、確定差分を共同編集者へ配信しながら、素材・部品の編集からレビュー、開発受け渡し、資材の書き出しと外部配信先へつなぐ構成
共有状態はサーバー側で順序を確定します。レビュー後は開発受け渡しと資材の書き出しへ分かれ、Figma外での実装品質と公開は受け取った側が担います。

米国の Figma 社が 2016 年に正式公開しました。「デザインを誰もがアクセスできるものにする」という思想のもと、当時は重いデスクトップアプリが主流だった画面設計を、インストール不要のブラウザに持ち込んだ点が画期的でした。インストール不要でブラウザから使え、Windows・Mac 向けの専用アプリも用意されています。2022 年に Adobe が買収を発表しましたが、独占禁止当局の懸念から 2023 年末に断念し、Figma は独立企業として運営を続けています。

主な特徴

  • リアルタイム共同編集: 同じ画面を複数人で同時に編集でき、各自のカーソルと変更がその場で全員に反映される。Google ドキュメントの体験を画面設計に持ち込んだ点が核心。
  • プロトタイプ作成: 画面同士を矢印でつなぎ、クリックや遷移・簡単なアニメーションを伴う「操作できる試作」として動作を確認できる。
  • コンポーネントとバリアント: ボタンなどの部品を共通化し、状態違い(通常・ホバー・無効など)を「バリアント」としてまとめて管理でき、デザインの一貫性を保ちやすい。
  • デザインシステム: 色・文字・余白などを「スタイル」「バリアブル(変数)」として定義し、チーム共通のライブラリとして配布・更新できる。
  • 開発者への受け渡し(Dev Mode): 各要素の寸法・色・余白を確認し、CSS などのコード片を取得できる専用モードで、デザインから実装への橋渡しがしやすい。
  • オートレイアウト: 要素の増減に応じて余白や配置が自動調整される仕組みで、レスポンシブな画面を組みやすい。
  • プラグインと FigJam: 機能を拡張するプラグイン市場と、付箋やフローを描くオンラインホワイトボード「FigJam」を併せ持つ。

仕組み・アーキテクチャ

Figma の編集画面は WebAssembly と WebGL(GPU 描画)で動くブラウザ内アプリケーションです。一般的な Web アプリのように DOM で画面を組み立てるのではなく、C++ で書かれた描画エンジンを WebAssembly にコンパイルしてブラウザ上で実行し、キャンバスを GPU で直接描画します。これにより、数千の要素を含む大きなファイルでも滑らかに操作できる性能を実現しています。デスクトップアプリも中身は同じ Web 技術基盤を共有しています。

リアルタイム共同編集の核心は、各クライアントの編集をサーバー側で集約して矛盾なくマージする仕組みにあります。Figma は完全な CRDT ではなく、サーバーを真実の源(権威)とし、各要素のプロパティ単位で「最後の更新を優先(last-writer-wins)」しながら同期する独自方式を採用しているとされます。誰かがオフラインで編集しても、再接続時に差分が反映され、複数人が同じ要素をいじっても破綻しにくいよう設計されています。

ベクターネットワークという設計

一般的なペンツールが「パス(始点から終点への線)」を扱うのに対し、Figma は 1 つの点から複数の線が分岐できる「ベクターネットワーク」を採用しています。閉じたパスでなくても自由に線をつなげられ、UI で多い直線・角の表現を直感的に描けるのが特徴です。

主なユースケース・向き不向き

向いているのは、Web・モバイルアプリの UI 設計、画面遷移のプロトタイプ作成、チームでのデザインシステム運用、そしてデザインレビューやハンドオフ(開発への受け渡し)です。リンク 1 つで関係者に共有でき、ブラウザでコメントを受けられるため、デザイナー・エンジニア・プロダクトマネージャーが入り混じる現代の開発フローと相性がよく、反復しながら作り込む進め方に適しています。FigJam を使えば、要件整理やブレインストーミングといった設計の前段も同じ場で完結します。

一方で、写真の精密なレタッチや印刷物の色管理(CMYK・特色)、複雑なイラストの作画、そして印刷入稿用の厳密な版下作成といった用途には向きません。これらは Photoshop や Illustrator など専用ツールの領域です。また、編集はオンライン前提のため、常時接続が難しい環境やクラウド保存が許されない機密案件では、設計上の制約になる場合があります。

競合・代替との比較

歴史的に最も比較されてきたのは、画面設計の先行ツールだった Sketch です。Sketch が Mac 専用のデスクトップアプリで、共有や共同編集を別ツールで補う設計だったのに対し、Figma はブラウザ完結とリアルタイム共同編集を最初から備えていた点が、普及の決定打になりました。

観点FigmaSketch
動作環境ブラウザ/専用アプリ(OS 問わず)Mac 専用のデスクトップアプリ
共同編集リアルタイム同時編集が標準別サービスでの共有が前提
データ保存クラウド中心ローカルファイル中心
拡張プラグインとブラウザで完結プラグインは豊富だが Mac 前提
強みチーム制作とハンドオフMac 環境での軽快な単独作業

ほかにも、グラフィック全般の手軽な制作なら Canva、Adobe 製品との連携重視なら Adobe XD(新規開発は終息)や Illustrator、オープンソース志向なら Penpot などが選択肢になります。Canva が「ひな型を編集して量産する」発想なのに対し、Figma は「部品を組み立てて画面を設計する」発想で、得意分野が根本的に異なります。

料金・ライセンス / エコシステム

Figma は無料プランでも個人や小規模な利用には十分な機能が使えるフリーミアム型です。有料プラン(プロフェッショナル・組織・エンタープライズ向け)にすると、編集者数の上限解放、バージョン履歴の延長、共有ライブラリ、Dev Mode の高度な機能、シングルサインオンや権限管理といった組織向け機能が解放されます。プラン名・価格・無料枠の範囲は改定されることがあるため、最新の内容は公式の料金ページで確認するのが確実です。なお、編集権限を持つ人数(シート)に応じた課金が中心で、閲覧やコメントのみのメンバーは無料枠で扱える設計が一般的です。

オープンソースではなく、Figma 社が運営するクラウドサービスです。エコシステムとしては、コミュニティで公開されるテンプレート・UI キット・プラグイン、Slack や Jira などの業務ツール連携、各種フレームワーク向けのコード生成プラグインなどが充実しています。完全な代替を目指すオープンソースとしては Penpot があり、自前ホスティングや脱クラウドを重視する場合の選択肢になります。

導入・運用上の注意点 / 評価

編集者数とコスト管理

課金は編集権限を持つ人数に紐づくのが基本です。全員に編集権限を付与すると人数増加に伴って費用がかさみやすいため、閲覧・コメントだけでよいメンバーには権限を絞り、定期的に棚卸しするとコストを抑えやすくなります。

運用面では、デザインデータがクラウドに保存される前提のため、機密性の高い案件では組織のセキュリティ方針やデータ保管場所の要件との整合を確認しておくと安心です。チームで使う場合は、コンポーネントとデザインシステムを早い段階で整備しておくことが、一貫性と保守性を大きく左右します。ファイルが肥大化するとブラウザの動作が重くなることがあるため、ページ分割や不要要素の整理も運用のコツになります。

総じて Figma は、画面設計とチーム共同作業に特化し、ブラウザ完結とリアルタイム編集でハンドオフまでを一気通貫にしたツールです。写真加工や印刷物には専門ソフトが向く一方、UI デザインの設計・共有・実装連携を 1 か所でまとめたい現場では、現状もっとも標準的で強力な選択肢になります。

ソフトウェアの選定ポイント

Figmaを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

UI・画像・映像・3D制作

比較で見る軸

月間利用者: 1,300万人 / 売上: $821M / Fortune 500: 95%

導入後に効く点

プロトタイプ作成: 画面同士を矢印でつなぎ、クリックや遷移・簡単なアニメーションを伴う「操作できる試作」として動作を確認できる。

先に潰すリスク

学習コストとファイル互換を確認

数字・仕様の読み方
月間利用者
1,300万人
2025年3月
売上
$821M
FY2024
Fortune 500
95%
利用比率

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「UI・画像・映像・3D制作 / デザイナー・制作者」に近いか確認する。
  • 強みである「リアルタイム共同編集: 同じ画面を複数人で同時に編集でき、各自のカーソルと変更がその場で全員に反映される。Google ドキュメントの体験を画面設計に持ち込んだ点が核心。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「学習コストとファイル互換を確認」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

UI・画像・映像・3D制作デザイナー・制作者UI デザインの定番(協働)デザイン / クリエイティブ表現力と共同作業制作ツール
参考: Figma S-1
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