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オブジェクト(Cloud Storage)・ブロック(Persistent Disk/Hyperdisk)・ファイル(Filestore)の使い分けと、ストレージクラス・ロケーション(冗長範囲)・ディスクタイプの選び方を即断する早見表。

基礎
最終更新: 2026-06-04

3種類の使い分け

タイプサービスアクセス用途
オブジェクトCloud StorageHTTP(S) / API配信・バックアップ・データレイク
ブロックPersistent Disk / Hyperdisk1 VM にアタッチ(読取専用は複数可)OS(ブート)/ DB のディスク
ファイルFilestore複数から同時マウント(NFSv3)共有フォルダ・GKE の ReadWriteMany

迷ったら

  • HTTP で取得・容量無制限・静的配信 → Cloud Storage(揮発でよい一時領域は VM の ローカル SSD
  • VM の高速ディスク(永続) → Persistent Disk / Hyperdisk(新規は容量と性能を独立指定できる Hyperdisk Balanced が起点)
  • 複数サーバー / GKE Pod で同じファイルを共有 → Filestore(NFSv3)
まず「入れ物」と寿命を押さえる

オブジェクトは バケット(名前はグローバル一意・作成時にロケーションを決め後から変更不可)に入れます。一方 Persistent Disk / Filestore は VM とは独立した寿命を持つリソースで、インスタンスを停止・削除してもデータは残ります(PD のブートディスクは既定で VM 削除に連動する点だけ注意)。

オブジェクト: ストレージクラスの選び方

アクセス頻度クラスポイント(最低保存期間)
高頻度Standard最低保存期間なし・取得料金なし。標準・低レイテンシ
低頻度(月1回程度)Nearline保存安い/取得課金あり。即時アクセス可(最低30日)
まれ(四半期に1回程度)ColdlineNearline よりさらに保存安い/取得は高め。即時アクセス可(最低90日)
長期保管(年1回未満)Archive最安。即時に読めるが取得が最も高い(最低365日)
クラス選定は自動化できる

アクセスパターンが読めなくても、バケットに Autoclass を有効化すれば、オブジェクトごとに最適なクラスへ自動で上げ下げします(AWS の S3 Intelligent-Tiering 相当)。あるいは オブジェクトライフサイクル管理で「N 日経過で Standard → Nearline → Coldline → Archive、その後削除」と自動移行も可能です。Glacier のリハイドレートのような待ち時間は無く、Archive でも即時に読める(ただし取得課金は高い)のが GCP の特徴。

オブジェクト: ロケーション(冗長範囲)の選び方

守りたい範囲ロケーションタイプポイント
低レイテンシ・データ所在を限定リージョン単一地域内の複数ゾーンへ冗長化。最安・データ所在を1地域に固定
地域災害に耐えつつ近接配置デュアルリージョン指定した2地域へ複製。可用性 SLA が高い
大陸規模の高可用マルチリージョン大陸単位の複数地域へ複製。配信・高可用に最適
耐久性 ≠ 可用性/ロケーションは後から変えられない
  • イレブンナイン(99.999999999%)は耐久性(データを失わない確率)。可用性(アクセスできる割合)は別指標で、マルチ/デュアルリージョンの方が SLA 上は高い。
  • バケットのロケーションは作成後に変更不可。移すには新バケットへコピーが必要なので、最初の選択が重要。

ブロック: ディスクタイプの選び方

ディスクタイプ特性 / 課金の考え方向いている用途
pd-standard(標準HDD)最安・大容量・低IOPS(容量課金)ログ / アーカイブ / シーケンシャル処理
pd-balanced(バランスSSD)価格と性能のバランス(容量課金)一般的なブート / アプリ(既定の推奨)
pd-ssd(高性能SSD)高IOPS・低レイテンシ(容量課金)DB / レイテンシ重視ワークロード
Hyperdisk Balanced / Extreme / Throughput容量・IOPS・スループットを個別にプロビジョニング性能を細かく最適化したい本番・高負荷DB / SAP HANA
ローカル SSD(Local SSD)ホスト直結で最速だが揮発性(VM停止で消失)一時データ・キャッシュ・スクラッチ領域のみ
ブロックでつまずきやすいポイント
  • 複数同時マウント=Filestore。PD は原則読み書き1 VM(複数からの読み取り専用マウントは可、pd-ssd/Hyperdisk のマルチライターはクラスタFS前提の例外)。
  • 旧世代 PD は性能がディスク容量と VM の vCPU 数に比例する。小容量だと IOPS/スループット上限が低い。Hyperdisk は容量と独立して性能を指定できる。
  • ディスクは稼働中に拡張は可・縮小は不可(縮小はスナップショットから小さいディスクへ復元)。OS 側で resize2fs 等が別途必要。
  • VM を停止してもデータは残るが、ディスク課金は継続する。
  • 永続が必要なデータをローカル SSD に置くのは NG(VM 停止・ホスト障害で消失)。

ブロック: ゾーン障害への備え

守りたい範囲選ぶものポイント
単一ゾーン(既定)ゾーン PD作成ゾーン内のみ。別ゾーンへはスナップショット/クローン経由
ゾーン障害(同期)リージョン PDリージョン内の2ゾーンへ同期レプリケーション。強制アタッチでフェイルオーバー
世代バックアップ・別リージョン復元スナップショット増分で取得しリージョン/マルチリージョンに保存。別リージョンへ復元可
本番 DB の鉄則

ゾーン障害に耐えたい本番 DB などは リージョン PD(2ゾーン同期)にし、加えてスナップショットスケジュールで定期バックアップと世代管理を自動化します。スナップショットは増分課金なので、保持期間で古い世代を整理するとコストを抑えられます。

ファイル: Filestore のティア選び

ティア可用性 / 性能向いている用途
BASIC_HDD(旧 Standard)単一ゾーン・HDD・低単価大容量で性能要件が低い共有・アーカイブ寄り
BASIC_SSD(旧 Premium)単一ゾーン・SSD・中性能一般的なファイル共有・Web コンテンツ
ZONAL単一ゾーン・高スループットHPC / レンダリング等の高性能な単発ワークロード
REGIONAL / ENTERPRISE複数ゾーン冗長・高可用本番の重要データ・GKE のマルチシェア
Filestore は容量を自動伸縮しない

EFS のように「使った分だけ」ではなく、作成時に容量(GiB)を指定し、プロビジョニング済み容量に対して課金されます。不足したら手動でスケールアップが必要で、縮小はできません。BASIC/ZONAL はスループットが容量にほぼ比例するため、必要な性能から逆算して容量を決めるのがコツ。過剰だと無駄、不足だと性能も頭打ちになります。

セキュリティの鉄則(共通)

アンチパターン
  • バケットに allUsers を付与して「全公開」で静的配信するのは NG。Cloud CDN + 外部 HTTP(S) ロードバランサ経由(必要なら署名付き URL/Cookie)で配信し、バケットは非公開のまま保つ。均一なバケットレベルのアクセスを有効化し、ACL ではなく IAM に権限を一本化するのが推奨。
  • サービスアカウントの鍵ファイル(JSON)をコードや VM に埋め込むのは NG。VM/Cloud Run/Functions には接続済みサービスアカウントを割り当て、メタデータ経由で短命トークンを取得させる(AWS の IAM ロール相当)。
  • Filestore は NFSv3 で通信の認証が弱い。ファイアウォールで NFS ポート(2049 等)を広く開けず、到達元を最小サブネットに限定し内部 IP からのみマウントさせる。
暗号化はどこも既定で有効

Cloud Storage / Persistent Disk / Filestore のいずれも保存時暗号化は既定で有効(Google 管理鍵)。要件に応じて CMEK(Cloud KMS の自前鍵) に切替でき、Cloud Storage / PD は CSEK(顧客指定鍵) も選べます。PD のスナップショットは元ディスクの暗号化(CMEK 鍵)を継承します。

クラウド間の対応(早見)

役割Google CloudAWSAzure
オブジェクトCloud StorageS3Blob Storage
ブロック(永続)Persistent Disk / HyperdiskEBSマネージドディスク
ファイル共有FilestoreEFS / FSxAzure Files
揮発性ストアローカル SSDインスタンスストアVM 一時ディスク
自動階層化AutoclassS3 Intelligent-Tieringライフサイクル管理
アーカイブArchive クラスGlacier / Deep ArchiveArchive 層
CDN 配信Cloud CDN + ロードバランサCloudFrontFront Door / CDN
大容量転送Storage Transfer Service / Transfer ApplianceDataSync / SnowballAzure Data Box

関連: Cloud Storage / Persistent Disk / Filestore

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ストレージを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

cheatsheets

比較で見る軸

クラウド: Google Cloud / カテゴリ: cheatsheets / 難易度: basic

導入後に効く点

導入後の運用手順、権限、監視、更新方法まで含めて評価します。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
Google Cloud
カテゴリ
cheatsheets
難易度
basic
関連資格
設計柱

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「cheatsheets」に近いか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

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