クラウドサービス

Compute Engine

必要なスペックの仮想サーバーを自在に立てられる Google Cloud の IaaS。ライブマイグレーションで再起動なし、継続利用割引が自動で効く。AWS EC2 / Azure VM に相当。

基礎信頼性パフォーマンス効率コスト最適化セキュリティ
最終更新: 2026-06-14公式ドキュメント
3つの要点
TL;DR
  1. Google のインフラ上に仮想サーバーを起動して使う IaaS。
  2. 秒単位課金で、使い続けるほど継続利用割引が自動で効く。
  3. メンテ時もライブマイグレーションで原則無停止。Spot は最大9割引。

解決する課題

  • 数分でインスタンスが起動する
  • マネージドインスタンスグループ(MIG) で自動スケール・自動修復
  • メンテナンス時も ライブマイグレーションで原則無停止
  • カスタムマシンタイプで vCPU/メモリをムダなく最適化

主要概念と用語

  • インスタンス: 起動した1台の仮想サーバー
  • マシンタイプ: e2(汎用・低コスト)/n2/c3(高性能)/m(メモリ最適化)など。カスタム指定も可能
  • イメージ / スナップショット: OS テンプレートとディスクのバックアップ
  • Hyperdisk / 永続ディスク(PD) / Local SSD: 推奨の高性能永続ブロック、従来のネットワーク永続ブロック、ホスト直結の高速な一時ディスク
  • VPC / ファイアウォールルール: グローバル VPC とネットワークレベルの許可ルール
  • マネージドインスタンスグループ(MIG): テンプレートから同一構成を束ね、オートスケール/自動修復(Auto Scaling 相当)
  • ゾーン / リージョン: ゾーンは単一障害ドメイン、リージョンは複数ゾーンの束

仕様・制限・クォータ

  • リージョン × ゾーンに配置。冗長化は複数ゾーンへ
  • 課金は秒単位(最低1分)。停止でコンピューティング課金は止まるが PD は課金継続
  • プロジェクト/リージョンごとに vCPU クォータがあり、引き上げ申請が可能
  • マシンファミリー: 汎用(E2/N2/N4)、コンピュート最適化(C3)、メモリ最適化(M)、アクセラレーター(A/G)など

内部の仕組み

Compute Engine は Google が運用する物理ホスト上で仮想化されています。対応するマシン構成では、計画メンテナンス時にインスタンスをライブマイグレーションして別ホストへ移し、停止時間を抑えます。GPU、ベアメタル、一部の高性能構成など、ライブマイグレーション非対応の構成もあるため、メンテナンスポリシーと事前通知を確認します。

  • ブートディスクは Hyperdisk または永続ディスク(PD)。VMを停止・削除しても、ディスクを保持すればデータは残る
  • Local SSD はホスト直結で高速だが一時ストレージ。停止、再作成、ホスト障害を想定し、失って困るデータを置かない

横にスクロール

利用者からロードバランサ、VPCファイアウォール、ネットワークインターフェース、Compute Engine仮想マシンへ通信が届き、HyperdiskやPersistent Diskへ永続化する流れと、複数ゾーンのマネージドインスタンスグループが自動スケール、自動修復、ローリング更新を行う構成
1台のVMでは通信、計算、永続ディスクが独立した資源です。本番ではリージョンMIGに同じインスタンステンプレートを適用し、ロードバランサの正常性確認と組み合わせて複数ゾーンへ分散、自動スケール、自動修復、段階更新を行います。
永続ディスク と Local SSD の違い

Local SSD は高速ですが一時ストレージです。永続化が必要なデータは Hyperdisk、PD、Cloud Storage などへ保存します。ライブマイグレーションでデータが移送される構成でも、停止・再作成・障害時の消失を前提にしてください。

設計パターン / ベストプラクティス

  • ステートレス設計: 状態を Firestore / Memorystore / Cloud Storage に逃がし、台数を自由に増減
  • MIG + Cloud Load Balancing で複数ゾーンに冗長化し、負荷に応じ自動増減
  • インスタンステンプレート+イメージで起動を標準化、Immutable に入れ替える

運用・監視・トラブルシュート

  • Cloud Monitoring / Cloud Logging でメトリクスとログを監視
  • シリアルコンソールで起動トラブルを調査
  • OS Login + IAP を使えば、公開 IP や踏み台なしで SSH 接続を集中管理できる

コスト

GCP は割引が自動で効きやすいのが特徴です。

購入オプション割引向いている用途
オンデマンド(秒課金)なし(定価)短期・検証
継続利用割引(自動)使い続けるほど自動で割引申し込み不要で定常稼働
確約利用割引(CUD)1〜3年コミットで継続利用割引より大きく割引(率はコミット種別・マシン・期間で変動、公式参照)予測できる定常ワークロード
Spot VM最大〜91%中断許容のバッチ/ステートレス
カスタムマシンタイプムダ削減vCPU/メモリ比が標準と合わない場合

セキュリティ

  • サービスアカウントをインスタンスに割り当て、鍵のハードコードを避ける(IAM ロール相当)
  • ファイアウォールルールで通信を最小化。Cloud IAM で操作権限を制御
  • Shielded VM で起動の改ざんを検知、ディスクは既定で暗号化(CMEK で自前鍵も可)
アンチパターン

広すぎる権限のサービスアカウント(例: Editor)を付けるのは NG。用途ごとに最小権限のサービスアカウントを割り当てます。

関連サービス・比較(AWS との対応)

観点Compute EngineAWS EC2
位置づけGCP の基本 IaaSAWS の基本 IaaS
永続ディスクHyperdisk / 永続ディスク(PD)EBS
自動スケールマネージドインスタンスグループ(MIG)Auto Scaling グループ
メンテ時の挙動ライブマイグレーション(無停止)再起動/退避が必要な場合あり
権限付与サービスアカウントIAM ロール

ハンズオン / CLI例

# e2-micro のインスタンスを1台作成
gcloud compute instances create demo-vm \
  --zone=asia-northeast1-a \
  --machine-type=e2-micro \
  --image-family=debian-12 \
  --image-project=debian-cloud

# 稼働中インスタンスの一覧
gcloud compute instances list \
  --filter="status=RUNNING" \
  --format="table(name, machineType.basename(), zone.basename())"

Google Cloud Service

Compute Engineを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

コンピューティング

比較で見る軸

クラウド: Google Cloud / カテゴリ: コンピューティング / 難易度: basic

導入後に効く点

秒単位課金で、使い続けるほど継続利用割引が自動で効く。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
Google Cloud
カテゴリ
コンピューティング
難易度
basic
関連資格
設計柱
reliability / performance / cost / security

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「コンピューティング / reliability」に近いか確認する。
  • 強みである「Google のインフラ上に仮想サーバーを起動して使う IaaS。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

コンピューティングreliabilityperformancecostsecurity

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