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Cloud Service

Cloud Domains

ドメインの登録・更新を GCP の請求と IAM に統合できる Cloud Domains。コンソールや gcloud から取得でき、Cloud DNS へ即座に接続して名前解決まで一気通貫。AWS の Route 53 ドメイン登録に相当。

基礎運用上の優秀性セキュリティ
最終更新: 2026-06-28公式ドキュメント ↗
TL;DR要点だけ先に
  • 1.ドメイン名の登録・更新・移管を GCP 内で完結させるレジストラ機能。
  • 2.取得と同時に Cloud DNS マネージドゾーンへ接続でき、名前解決まで一気通貫。
  • 3.課金は GCP 請求に統合され、管理権限は IAM で制御する。

解決する課題

ドメイン名の取得・更新・管理を、外部レジストラを使わずに GCP のプロジェクト・請求・権限体系の中で完結させたい、というのが核心です。

  • 新規ドメインを取得し、すぐに GCP のサービスへ紐づけたい
  • ドメインの登録費用を GCP の請求にまとめ、別途レジストラへの支払いをなくしたい
  • ドメインの管理権限を IAM で統制し、担当者の追加・削除を一元化したい
  • 取得したドメインを Cloud DNS に接続し、名前解決の設定まで滑らかに繋げたい

ドメインの「登録(レジストラ機能)」と「名前解決(権威 DNS)」は別の役割です。Cloud Domains は前者を担い、後者は Cloud DNS が担当します。

主要概念と用語

  • レジストラ: ドメイン名を登録機関(レジストリ)へ登録・更新する事業者。Cloud Domains はこのレジストラ機能を Google が提供する形態
  • 登録(Registration)リソース: 取得したドメインを表す GCP リソース。プロジェクトに属し、IAM や請求の対象になる
  • DNS 設定: 取得したドメインの名前解決をどこで行うかの設定。Cloud DNS のマネージドゾーンを自動構成するか、任意のカスタムネームサーバーを指定するかを選べる
  • 自動更新(auto-renewal): 有効期限の前に自動でドメインを更新する設定。失効による喪失を防ぐ
  • 移管(transfer): 他レジストラで管理中のドメインを Cloud Domains へ移してくる操作。認証コードと移管ロックの解除が前提になる
  • WHOIS / プライバシー保護: 登録者情報の公開に関する設定。連絡先情報の公開範囲を制御できる
  • TLD(トップレベルドメイン): .com.dev などの末尾。取得可能な TLD や価格は TLD ごとに異なる

仕様・制限・クォータ

  • ドメインの登録・更新の価格は TLD ごとに異なる。費用は Cloud Domains 経由で GCP の請求に計上される
  • 取得した登録リソースはプロジェクトに属する。プロジェクトをまたいだ管理は、リソースの所属プロジェクト単位で行う
  • 名前解決は Cloud DNS(推奨)カスタムネームサーバーのいずれか。Cloud Domains 自体は権威 DNS ではない
  • ドメインの移管には、移管元での移管ロック解除と**認証コード(EPP コード)**が必要。TLD によっては移管直後の一定期間、再移管が制限される
  • レジストリ側の規約により、登録期間の上限や、取得直後の移管不可期間など、TLD ごとの制約がある
  • ドメインを誤って削除・失効させた場合、TLD のポリシーに従った**猶予期間(グレースピリオド/償還期間)**が適用されることがある

内部の仕組み

Cloud Domains は、ユーザーと各 TLD のレジストリの間に立つレジストラとして動作します。コンソールや gcloud からの操作を、標準的なドメイン登録プロトコルでレジストリへ反映します。

  • ドメインを取得すると、GCP 内に登録リソースが作られ、プロジェクト・請求・IAM の管理対象になる
  • 取得時に DNS を Cloud DNS に設定すると、対応するマネージドゾーンが自動的に構成され、ドメインのネームサーバーが Cloud DNS の権威サーバーへ委任される
  • カスタムネームサーバーを選んだ場合は、指定した外部の権威 DNS へ委任され、名前解決はその DNS が担う
  • 更新・移管・連絡先変更などの操作は、Cloud Domains がレジストリへ伝達して反映する
登録と名前解決は役割が違う

Cloud Domains は「ドメインを所有・更新する」レジストラ機能を担い、「問い合わせに応答する」権威 DNS は Cloud DNS が担います。両者を組み合わせると、取得から名前解決の設定までを GCP 内で一気通貫に進められます。

設計パターン / ベストプラクティス

  • 新規ドメインは取得時に Cloud DNS を選択し、マネージドゾーンの自動構成で名前解決設定をスムーズに開始する
  • 失効による喪失を避けるため、自動更新を有効にしておく。重要なドメインほど更新失敗の影響が大きい
  • 既存ドメインを GCP へ寄せたい場合は、計画的に移管して請求・権限を一元化する。移管前に移管ロック解除と認証コードを準備する
  • ドメインの所属を整理する際は、プロジェクト設計と合わせて考える。請求アカウントや IAM 境界と一致させると管理が単純になる
  • 連絡先情報は最新に保ち、プライバシー保護の設定で公開範囲を適切に制御する

運用・監視

  • 有効期限と自動更新の状態を定期的に確認し、更新失敗(支払い方法の失効など)を早期に検知する
  • ドメインの設定変更は Cloud Audit Logs で追跡し、誰がいつ何を変更したかを把握する
  • 名前解決の不調時は、ドメインの委任先ネームサーバーが想定どおり(Cloud DNS かカスタムか)になっているかを確認する
  • 連絡先情報・登録者情報を最新に保ち、レジストリからの確認メール(連絡先検証など)に対応できる体制にする

コスト

課金の中心は、TLD ごとに異なる登録・更新の年額です。GCP の請求に統合されます。

課金対象課金の考え方コスト最適化のヒント
ドメイン登録TLD ごとの年額(取得時)用途に合う TLD を選び不要な取得を避ける
ドメイン更新TLD ごとの年額(更新時)使わないドメインは更新前に棚卸しする
名前解決(Cloud DNS)ゾーン月額とクエリ従量は別サービスCloud DNS 側の最適化に従う

具体的な単価は TLD と時期で変動するため、料金は公式の料金ページで最新値を確認してください。

セキュリティ

  • ドメインの取得・更新・移管・削除といった操作権限を IAM で最小化し、限られた担当者だけに付与する
  • 自動更新を有効にし、うっかり失効してドメインを第三者に取得されるリスクを下げる
  • 移管を防ぎたいドメインは移管ロックを有効にし、認証コードの管理を厳格にする
  • WHOIS プライバシー保護で登録者の連絡先情報の公開範囲を制御し、スパムや標的型の連絡を減らす
  • 名前解決を Cloud DNS に置く場合は、DNSSEC(Cloud DNS 側で有効化し DS を登録)まで含めて改ざん対策を講じる
失効はドメイン乗っ取りの入口

自動更新を切ったまま有効期限を過ぎると、猶予期間の経過後にドメインが解放され、第三者に取得される恐れがあります。一度手放したドメインの取り戻しは困難です。重要なドメインは自動更新を有効にし、支払い方法の有効性も定期的に確認してください。

関連サービス・比較

ドメインの登録は Cloud Domains、名前解決は Cloud DNS という役割分担が基本です。クラウド間の対応では、AWS は Route 53 が登録と名前解決の両方を内包する点が異なります。

観点Cloud Domains(GCP)Route 53 ドメイン登録(AWS)
主な役割ドメインの登録・更新・移管ドメインの登録・更新・移管
名前解決別サービス(Cloud DNS)に接続Route 53 ホストゾーンに統合
請求GCP 請求に統合AWS 請求に統合
権限管理IAMIAM
DNS 自動構成取得時に Cloud DNS ゾーンを自動作成取得時にホストゾーンを自動作成
位置づけ登録専任のレジストラ登録と権威 DNS を内包

取得したドメインの名前解決は Cloud DNS が担い、ルーティングポリシーや限定公開ゾーン、DNSSEC まで設定できます。Cloud Domains は「ドメインを所有・更新する」レイヤー、Cloud DNS は「名前を解決する」レイヤーと整理すると分かりやすいです。

ハンズオン / CLI例

# ドメインの取得可否と価格を検索
gcloud domains registrations search-domains example-app.dev

# ドメインを登録し、名前解決を Cloud DNS の自動構成にする
gcloud domains registrations register example-app.dev \
  --contact-data-from-file=contacts.yaml \
  --cloud-dns-zone=example-app-zone \
  --yearly-price="12.00 USD"

# 取得済みドメインの一覧を確認
gcloud domains registrations list

# 自動更新を有効化(失効によるドメイン喪失を防ぐ)
gcloud domains registrations configure management example-app.dev \
  --preferred-renewal-method=automatic-renewal

# 委任先ネームサーバーなど DNS 設定を確認
gcloud domains registrations describe example-app.dev \
  --format="value(dnsSettings)"

Google Cloud Service

Cloud Domainsを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

ネットワーキング

比較で見る軸

クラウド: Google Cloud / カテゴリ: ネットワーキング / 難易度: basic

導入後に効く点

取得と同時に Cloud DNS マネージドゾーンへ接続でき、名前解決まで一気通貫。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
Google Cloud
カテゴリ
ネットワーキング
難易度
basic
関連資格
設計柱
operational / security

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「ネットワーキング / operational」に近いか確認する。
  • 強みである「ドメイン名の登録・更新・移管を GCP 内で完結させるレジストラ機能。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

ネットワーキングoperationalsecurity