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Cloud Service

Local SSD

物理ホストに直結して最高クラスのIOPS・低レイテンシを得る揮発性ブロックストレージ。キャッシュやスクラッチ領域でVMを高速化する Local SSD。AWS のインスタンスストアに相当。

中級パフォーマンス効率コスト最適化
最終更新: 2026-06-28公式ドキュメント ↗
TL;DR要点だけ先に
  • 1.VMが載る物理ホストに直結した超高速・低レイテンシのローカルディスク。
  • 2.VM停止・ホスト障害でデータは消える揮発性。永続データには使わない。
  • 3.キャッシュ・一時ファイル・スクラッチ領域・分散DBの高速層に向く。

解決する課題

ネットワーク越しの Persistent Disk では届かない、物理ディスク直結レベルの IOPS と低レイテンシを必要とするワークロードを支えます。

  • DB やキャッシュで極めて高い IOPS・低レイテンシが欲しい
  • 学習データの前処理や解析のスクラッチ(一時作業)領域を高速化したい
  • 失われても再生成できる一時データ・中間ファイルを安価かつ高速に置きたい
  • 分散DB やキャッシュ層でノードローカルの高速ストレージを前提にしたい

主要概念と用語

  • Local SSD: VM をホストする物理サーバーに直結したブロックストレージ。ネットワークを介さないため最高クラスの性能だが揮発性
  • 揮発性(ephemeral): VM の停止・削除、ライブマイグレーションの失敗、ホスト障害でデータが消失する。永続性の保証はない
  • 接続インターフェース: 世代により NVMe や SCSI でアタッチされる。第3〜4世代のマシンシリーズでは NVMe ベースの Local SSD が前提
  • Persistent Disk / Hyperdisk: 対照的にネットワーク越しの永続ブロックストレージ。VM を止めてもデータは残る
  • スクラッチ領域: 計算の途中結果や一時ファイルを置く、消えても困らない作業用ストレージ
  • RAID / ソフトウェアストライピング: 複数の Local SSD を OS 側でまとめ、容量とスループットを束ねる構成

仕様・制限・クォータ

  • 揮発性: VM 停止・削除・ホスト障害でデータは失われる。永続データを置いてはいけない
  • アタッチのタイミング: 多くのマシンシリーズで VM 作成時にのみ追加でき、後から本数を増やせない(マシンシリーズにより付与単位・本数の制約が異なる)
  • 本数とマシンシリーズ依存: 利用可否・最大本数・1本あたり容量はマシンシリーズと vCPU 数に依存する。最新世代では容量が大きい単位で割り当てられる場合がある
  • リサイズ不可: Local SSD 単体の容量は固定。容量を増やすには本数を増やすか、より大きい構成の VM を選ぶ
  • ライブマイグレーション: Local SSD 付き VM の挙動はマシンシリーズで異なり、メンテナンス時にデータ保持の扱いが変わる場合がある(再起動でデータが消える前提で設計する)
  • クォータ: プロジェクト/リージョンごとに Local SSD の総容量に上限があり、引き上げ申請が可能

内部の仕組み

Local SSD は、VM が動く物理ホストのローカルデバイスを直接 VM に見せる仕組みです。Persistent Disk のように内部で複数デバイスへ分散・冗長化されるネットワークストレージとは異なり、冗長化されず、ホストの寿命と運命を共有します。これが最高クラスの性能と引き換えの揮発性の理由です。

  • データは物理ホストに直結。ネットワークホップが無いため低レイテンシ・高 IOPS
  • 冗長化はされないため、ホスト障害=データ消失。耐久性は持たない
  • 複数本の Local SSD を OS の RAID/ストライピングで束ね、スループットと容量を拡大できる
  • 永続性が必要なデータは別途 Persistent Disk / Hyperdisk / Cloud Storage へ書き出す前提
揮発性ストレージ

Local SSD のデータは VM 停止・削除・ホスト障害で消失します。アプリ状態・DB の正本・チェックポイントなど失ってはいけないデータは、必ず Persistent Disk / Hyperdisk / Cloud Storage / Filestore に置いてください。

設計パターン / ベストプラクティス

  • 用途はキャッシュ・一時ファイル・スクラッチ・分散システムのローカル層に限定する
  • 分散DB(Cassandra など)や検索エンジンのように、アプリ側がレプリケーションで冗長性を担保する構成と組み合わせる
  • 高スループットが要るときは複数本を RAID 0 でストライピングし、必要なら起動時に自動マウントする
  • 消えても困らないよう、重要な成果物は処理の節目で Cloud Storage / Persistent Disk へ書き戻す
  • 本番DB の単独データストアには使わない。永続が要るなら Persistent Disk / Hyperdisk を選ぶ
性能を引き出す

複数の Local SSD を OS のソフトウェア RAID でストライピングすると、IOPS とスループットを束ねられます。最新世代では NVMe インターフェースを選ぶことで性能を最大化しやすくなります。

運用・監視

  • Cloud Monitoring でディスク I/O メトリクス(read/write の IOPS・スループット・レイテンシ)を監視し、上限への張り付きを確認
  • VM 起動時に Local SSD をフォーマットしてマウントする初期化処理(起動スクリプト等)を用意する
  • ライブマイグレーションやメンテナンス後にデータが消える前提で、再生成・再同期の手順を運用に組み込む
  • 本数は基本的に作成時に決まるため、性能・容量の見積もりを事前に行う

コスト

  • **アタッチした Local SSD の容量(GB/月)**に課金。スナップショットのような追加バックアップ課金は対象外
  • 揮発性のためバックアップ保管コストは発生しないが、永続が要るデータは別ストレージのコストがかかる
  • 一部マシンシリーズでは Spot/Preempt 可能 VM と組み合わせてコストを抑えつつスクラッチ用途に使える
  • 不要に多くの本数を付けると割高。必要な性能・容量に絞るのが基本

セキュリティ

  • 保存データは Google 管理鍵で既定で暗号化される(Local SSD は揮発性のため鍵運用は PD/Hyperdisk と扱いが異なる)
  • 揮発性ゆえ VM の寿命とともにデータは消えるが、機微データの一時保管でも暗号化前提で扱う
  • IAM で Local SSD 付き VM の作成権限を最小化し、想定外の高コスト構成を防ぐ
  • 認証情報や機密の正本を Local SSD に置かず、Secret Manager とサービスアカウントを使う

関連サービス・比較

観点Local SSD(GCP)Persistent Disk(GCP)
接続物理ホストに直結(ネットワーク無し)ネットワーク越しの分散ストレージ
永続性揮発性(停止・障害で消失)永続(VM を止めても残る)
性能最高クラスの IOPS・低レイテンシ容量と vCPU に比例(Hyperdisk は独立指定)
冗長化無し(アプリ側で担保)あり(リージョン PD は2ゾーン同期)
バックアップ不可(再生成前提)スナップショット(増分)
主な用途キャッシュ・一時・スクラッチブート・DB・永続データ

ハンズオン / CLI例

# 1) Local SSD(NVMe)を1本付けてVMを作成(作成時に指定する)
gcloud compute instances create my-fast-vm \
  --zone=asia-northeast1-a \
  --machine-type=n2-standard-8 \
  --local-ssd=interface=NVME

# 2) 複数本を付けてスループットを束ねる前提の構成
gcloud compute instances create my-scratch-vm \
  --zone=asia-northeast1-a \
  --machine-type=n2-standard-16 \
  --local-ssd=interface=NVME \
  --local-ssd=interface=NVME

# 3) VM内でデバイスを確認しRAID0でストライピング後にマウント(OS側作業の例)
#    lsblk でデバイスを確認し、mdadm でストライプ、フォーマットしてマウントする
sudo lsblk
sudo mdadm --create /dev/md0 --level=0 --raid-devices=2 \
  /dev/nvme0n1 /dev/nvme0n2
sudo mkfs.ext4 /dev/md0
sudo mkdir -p /mnt/scratch
sudo mount /dev/md0 /mnt/scratch

Google Cloud Service

Local SSDを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

ストレージ

比較で見る軸

クラウド: Google Cloud / カテゴリ: ストレージ / 難易度: intermediate

導入後に効く点

VM停止・ホスト障害でデータは消える揮発性。永続データには使わない。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
Google Cloud
カテゴリ
ストレージ
難易度
intermediate
関連資格
設計柱
performance / cost

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「ストレージ / performance」に近いか確認する。
  • 強みである「VMが載る物理ホストに直結した超高速・低レイテンシのローカルディスク。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

ストレージperformancecost