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Local SSD
物理ホストに直結して最高クラスのIOPS・低レイテンシを得る揮発性ブロックストレージ。キャッシュやスクラッチ領域でVMを高速化する Local SSD。AWS のインスタンスストアに相当。
- 1.VMが載る物理ホストに直結した超高速・低レイテンシのローカルディスク。
- 2.VM停止・ホスト障害でデータは消える揮発性。永続データには使わない。
- 3.キャッシュ・一時ファイル・スクラッチ領域・分散DBの高速層に向く。
解決する課題
ネットワーク越しの Persistent Disk では届かない、物理ディスク直結レベルの IOPS と低レイテンシを必要とするワークロードを支えます。
- DB やキャッシュで極めて高い IOPS・低レイテンシが欲しい
- 学習データの前処理や解析のスクラッチ(一時作業)領域を高速化したい
- 失われても再生成できる一時データ・中間ファイルを安価かつ高速に置きたい
- 分散DB やキャッシュ層でノードローカルの高速ストレージを前提にしたい
主要概念と用語
- Local SSD: VM をホストする物理サーバーに直結したブロックストレージ。ネットワークを介さないため最高クラスの性能だが揮発性
- 揮発性(ephemeral): VM の停止・削除、ライブマイグレーションの失敗、ホスト障害でデータが消失する。永続性の保証はない
- 接続インターフェース: 世代により NVMe や SCSI でアタッチされる。第3〜4世代のマシンシリーズでは NVMe ベースの Local SSD が前提
- Persistent Disk / Hyperdisk: 対照的にネットワーク越しの永続ブロックストレージ。VM を止めてもデータは残る
- スクラッチ領域: 計算の途中結果や一時ファイルを置く、消えても困らない作業用ストレージ
- RAID / ソフトウェアストライピング: 複数の Local SSD を OS 側でまとめ、容量とスループットを束ねる構成
仕様・制限・クォータ
- 揮発性: VM 停止・削除・ホスト障害でデータは失われる。永続データを置いてはいけない
- アタッチのタイミング: 多くのマシンシリーズで VM 作成時にのみ追加でき、後から本数を増やせない(マシンシリーズにより付与単位・本数の制約が異なる)
- 本数とマシンシリーズ依存: 利用可否・最大本数・1本あたり容量はマシンシリーズと vCPU 数に依存する。最新世代では容量が大きい単位で割り当てられる場合がある
- リサイズ不可: Local SSD 単体の容量は固定。容量を増やすには本数を増やすか、より大きい構成の VM を選ぶ
- ライブマイグレーション: Local SSD 付き VM の挙動はマシンシリーズで異なり、メンテナンス時にデータ保持の扱いが変わる場合がある(再起動でデータが消える前提で設計する)
- クォータ: プロジェクト/リージョンごとに Local SSD の総容量に上限があり、引き上げ申請が可能
内部の仕組み
Local SSD は、VM が動く物理ホストのローカルデバイスを直接 VM に見せる仕組みです。Persistent Disk のように内部で複数デバイスへ分散・冗長化されるネットワークストレージとは異なり、冗長化されず、ホストの寿命と運命を共有します。これが最高クラスの性能と引き換えの揮発性の理由です。
- データは物理ホストに直結。ネットワークホップが無いため低レイテンシ・高 IOPS
- 冗長化はされないため、ホスト障害=データ消失。耐久性は持たない
- 複数本の Local SSD を OS の RAID/ストライピングで束ね、スループットと容量を拡大できる
- 永続性が必要なデータは別途 Persistent Disk / Hyperdisk / Cloud Storage へ書き出す前提
Local SSD のデータは VM 停止・削除・ホスト障害で消失します。アプリ状態・DB の正本・チェックポイントなど失ってはいけないデータは、必ず Persistent Disk / Hyperdisk / Cloud Storage / Filestore に置いてください。
設計パターン / ベストプラクティス
- 用途はキャッシュ・一時ファイル・スクラッチ・分散システムのローカル層に限定する
- 分散DB(Cassandra など)や検索エンジンのように、アプリ側がレプリケーションで冗長性を担保する構成と組み合わせる
- 高スループットが要るときは複数本を RAID 0 でストライピングし、必要なら起動時に自動マウントする
- 消えても困らないよう、重要な成果物は処理の節目で Cloud Storage / Persistent Disk へ書き戻す
- 本番DB の単独データストアには使わない。永続が要るなら Persistent Disk / Hyperdisk を選ぶ
複数の Local SSD を OS のソフトウェア RAID でストライピングすると、IOPS とスループットを束ねられます。最新世代では NVMe インターフェースを選ぶことで性能を最大化しやすくなります。
運用・監視
- Cloud Monitoring でディスク I/O メトリクス(read/write の IOPS・スループット・レイテンシ)を監視し、上限への張り付きを確認
- VM 起動時に Local SSD をフォーマットしてマウントする初期化処理(起動スクリプト等)を用意する
- ライブマイグレーションやメンテナンス後にデータが消える前提で、再生成・再同期の手順を運用に組み込む
- 本数は基本的に作成時に決まるため、性能・容量の見積もりを事前に行う
コスト
- **アタッチした Local SSD の容量(GB/月)**に課金。スナップショットのような追加バックアップ課金は対象外
- 揮発性のためバックアップ保管コストは発生しないが、永続が要るデータは別ストレージのコストがかかる
- 一部マシンシリーズでは Spot/Preempt 可能 VM と組み合わせてコストを抑えつつスクラッチ用途に使える
- 不要に多くの本数を付けると割高。必要な性能・容量に絞るのが基本
セキュリティ
- 保存データは Google 管理鍵で既定で暗号化される(Local SSD は揮発性のため鍵運用は PD/Hyperdisk と扱いが異なる)
- 揮発性ゆえ VM の寿命とともにデータは消えるが、機微データの一時保管でも暗号化前提で扱う
- IAM で Local SSD 付き VM の作成権限を最小化し、想定外の高コスト構成を防ぐ
- 認証情報や機密の正本を Local SSD に置かず、Secret Manager とサービスアカウントを使う
関連サービス・比較
| 観点 | Local SSD(GCP) | Persistent Disk(GCP) |
|---|---|---|
| 接続 | 物理ホストに直結(ネットワーク無し) | ネットワーク越しの分散ストレージ |
| 永続性 | 揮発性(停止・障害で消失) | 永続(VM を止めても残る) |
| 性能 | 最高クラスの IOPS・低レイテンシ | 容量と vCPU に比例(Hyperdisk は独立指定) |
| 冗長化 | 無し(アプリ側で担保) | あり(リージョン PD は2ゾーン同期) |
| バックアップ | 不可(再生成前提) | スナップショット(増分) |
| 主な用途 | キャッシュ・一時・スクラッチ | ブート・DB・永続データ |
ハンズオン / CLI例
# 1) Local SSD(NVMe)を1本付けてVMを作成(作成時に指定する)
gcloud compute instances create my-fast-vm \
--zone=asia-northeast1-a \
--machine-type=n2-standard-8 \
--local-ssd=interface=NVME
# 2) 複数本を付けてスループットを束ねる前提の構成
gcloud compute instances create my-scratch-vm \
--zone=asia-northeast1-a \
--machine-type=n2-standard-16 \
--local-ssd=interface=NVME \
--local-ssd=interface=NVME
# 3) VM内でデバイスを確認しRAID0でストライピング後にマウント(OS側作業の例)
# lsblk でデバイスを確認し、mdadm でストライプ、フォーマットしてマウントする
sudo lsblk
sudo mdadm --create /dev/md0 --level=0 --raid-devices=2 \
/dev/nvme0n1 /dev/nvme0n2
sudo mkfs.ext4 /dev/md0
sudo mkdir -p /mnt/scratch
sudo mount /dev/md0 /mnt/scratch
Google Cloud Service
Local SSDを実務で読む
TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。
解決すること
ストレージ
比較で見る軸
クラウド: Google Cloud / カテゴリ: ストレージ / 難易度: intermediate
導入後に効く点
VM停止・ホスト障害でデータは消える揮発性。永続データには使わない。
先に潰すリスク
サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。
- クラウド
- Google Cloud
- カテゴリ
- ストレージ
- 難易度
- intermediate
- 関連資格
- —
- 設計柱
- performance / cost
判断チェックリスト
- 自社の用途が「ストレージ / performance」に近いか確認する。
- 強みである「VMが載る物理ホストに直結した超高速・低レイテンシのローカルディスク。」が本当に評価軸になるか確認する。
- 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
- 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
- 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
- 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。