TL

Cloud Service

OCI Application Migration

Oracle Cloud(旧 OCI Classic)の PaaS アプリを OCI へ移すための移行サービス。JCS や SOACS、Integration Classic を発見・移行できたが、現在は提供を終了した歴史的サービス。

基礎運用上の優秀性
最終更新: 2026-06-28公式ドキュメント ↗
TL;DR要点だけ先に
  • 1.Oracle Cloud Infrastructure Classic(OCI-C)上の PaaS アプリを OCI へ移すための移行サービスだった。
  • 2.ソースと移行(Migration)の2リソースで、JCS・SOACS・Integration Classic などを発見して移行した。
  • 3.Classic Migration Service へ改称後に提供を終了しており、現在は新規利用できない歴史的サービス。

解決する課題

OCI Application Migration(後に Classic Migration Service へ改称)は、Oracle Cloud Infrastructure Classic(OCI-C) などの旧世代環境で稼働していた Oracle の PaaS アプリケーションを、現行の OCI へ移すためのマネージドな移行サービスでした。

  • 旧 OCI Classic 上の Oracle Java Cloud Service(JCS)や SOA Cloud Service(SOACS)、Integration Classic などを、手作業の再構築なしに現行 OCI へ移したい
  • 移行対象のアプリを**ソース環境から自動で発見(ディスカバリ)**して棚卸ししたい
  • 移行作業を1 つのワークフローとして管理し、進捗や失敗を追跡したい
提供終了済みの歴史的サービス

本サービスは Classic Migration Service へ改称された後、提供を終了しています。新規の移行用途では利用できません。本ページは、過去に存在した移行サービスの位置づけと概念を理解するための歴史的な解説です。現行の移行には OCI Cloud Migrations や OCI Database Migration など、目的別の現行サービスを用います。

主要概念と用語

  • OCI Classic(OCI-C): Oracle Cloud の旧世代基盤。本サービスはここで動く PaaS アプリの移行元として扱った
  • ソース(Source): 移行元の環境を表すリソース。OCI Classic 環境などへの接続情報を保持し、移行できるアプリの一覧を発見する
  • アプリケーション発見(Discovery): ソースに登録された環境から、移行可能なアプリ(JCS・SOACS・Integration Classic など)を列挙する工程
  • 移行(Migration)リソース: 1 つのアプリを移行元から OCI へ移す、エンドツーエンドのワークフローを表す設定単位
  • 移行の実行(Migrate Application): 移行リソースに基づき、対象アプリを実際に OCI 上へ移し替える操作
  • ワークリクエスト(Work Request): 移行のような非同期操作の実行状況を追跡する仕組み。進捗・ログ・エラーを参照できる
  • JCS / SOACS / Integration Classic: 移行対象となった代表的な Oracle PaaS サービス(Java Cloud Service、SOA Cloud Service、Integration Classic)

仕様・制限・クォータ

  • 主たる用途は OCI Classic(および Oracle@Customer)上の Oracle PaaS アプリを OCI へ移行することで、汎用的な VM 移行やデータベース移行を目的としたサービスではない
  • 移行できるアプリの種類は、JCS・SOACS・Integration Classic などサービス側がサポートする範囲に限られた。対応バージョンや前提条件はサービスのサポート範囲に依存する
  • ソース環境への接続情報と資格情報が必要で、発見と移行のためにソースへ到達できることが前提となる
  • 操作はソース移行という 2 種類のリソースを中心に構成され、非同期処理はワークリクエストで追跡する
  • テナンシ/リージョンごとに**サービス制限(リミット)**があり得たが、本サービスは提供を終了しているため、新規の制限引き上げ等は対象外となる
対応バージョンは古い世代

移行対象となった PaaS アプリのバージョンは、いずれも旧世代のものに限られていた。現行の Oracle PaaS(例: Oracle Integration の現行世代など)はこのサービスの対象ではない点に注意。

内部の仕組み

  • 利用者はまずソースを作成し、移行元(OCI Classic 環境など)への接続情報を登録する
  • ソースに対してアプリケーション発見を行い、移行可能なアプリの一覧を取得する
  • 移したいアプリごとに移行(Migration)リソースを作成し、移行先や構成を設定する
  • **移行の実行(Migrate Application)**を呼び出すと、対象アプリが OCI 上へ移し替えられる。この処理は非同期で進む
  • 進行中の処理はワークリクエストで状態・ログ・エラーを確認でき、失敗時はログから原因を切り分けられた
  • ソースと移行はそれぞれコンパートメント間で移動でき、IAM による権限管理の単位に合わせて配置できた

設計パターン / ベストプラクティス

  • 移行前に発見(ディスカバリ)でアプリを棚卸しし、対象範囲と前提条件を把握してから移行に進む
  • 本番移行の前に、検証環境で一度通して所要時間と手順を確認する
  • ソースへの接続資格情報は**OCI Vault(Secrets)**で管理し、平文で扱わない
  • 移行はワークリクエストで追跡し、失敗時はログから原因を特定して再実行する
  • 移行後はアプリの動作と設定を検証してから旧環境を停止する
  • 現行の移行ニーズに対しては、本サービスではなく OCI Cloud Migrations(VM 移行)や OCI Database Migration(DB 移行) など、目的に合った現行サービスを選定する

運用・監視

  • 移行や発見などの非同期処理はワークリクエストで進捗・ログ・エラーを確認し、失敗時は該当処理のログから切り分ける
  • 接続エラー時は、ソースの接続情報・ネットワーク到達性・資格情報を順に確認する
  • イベントや通知と連携し、移行の完了・失敗を検知して運用フローに組み込む
  • 切り替え後は旧環境をすぐ削除せず、一定期間は切り戻し可能な状態で保持する

コスト

観点考え方コスト最適化のヒント
移行サービス自体移行を実行するための利用に応じた費用提供終了済みのため新規費用は発生しない
移行先リソースOCI 上で稼働するアプリ/基盤の費用移行先のサイズは本番要件に合わせる
ネットワーク転送リージョン跨ぎや外向き転送が生じる場合の費用同一リージョン内やプライベート経路で転送を抑える
  • 移行そのものよりも、移行先で稼働させる OCI 上のリソースが継続コストの主因となる
  • 本サービスは提供を終了しているため、新規の移行コストは発生しない

セキュリティ

  • ソースへの接続資格情報は**OCI Vault(Secrets)**で管理し、平文で保持しない
  • 操作権限は IAM ポリシー(グループ/動的グループ+ポリシー)で最小権限に設計し、ソースや移行リソースへのアクセスを限定する
  • 移行先の OCI リソースでは保存時暗号化・転送時の TLS を有効にし、移行後も暗号化された状態を維持する
  • 接続元は**セキュリティリスト / ネットワークセキュリティグループ(NSG)**で必要最小限に絞る
アンチパターン

資格情報を平文で扱ったり、移行トラフィックを公開経路に流すのは NG。Vault による資格情報管理・プライベート経路・IAM 最小権限を徹底すること。なお本サービスは提供を終了しているため、現行の移行では目的に合った現行サービスを選ぶこと自体が最初の判断になる。

関連サービス・比較

OCI Application Migration は OCI Classic 上の PaaS アプリ移行に特化していました。汎用的な VM 移行を一元管理する現行サービスは OCI Cloud Migrations であり、用途が異なります。

観点OCI Application MigrationOCI Cloud Migrations
位置づけ旧 OCI Classic の PaaS アプリ移行VM の検出・評価・移行を一元管理
主な対象JCS・SOACS・Integration Classic などオンプレ/他クラウドの VM
移行単位ソースとアプリ単位の移行プロジェクトと VM 単位の移行
提供状況提供終了済みの歴史的サービス現行サービス
鍵・資格情報OCI VaultOCI Vault
権限付与IAM ポリシーIAM ポリシー
  • 旧 PaaS アプリの移行という限定的な用途だったため、AWS に厳密な相当サービスはない。汎用的な VM 移行という観点では OCI Cloud Migrations が現行の選択肢となる
  • データベースの移行が目的であれば OCI Database Migration、ファイル/オブジェクトの大量転送であれば OCI Data Transfer など、目的別の現行サービスを選ぶ

ハンズオン / CLI例

提供終了済みのサービスのため、以下は当時の oci CLI による操作イメージを示す参考例です(現在は実行できません)。

# ソース(移行元の OCI Classic 環境)を作成
oci application-migration source create \
  --compartment-id "$COMPARTMENT_OCID" \
  --display-name source-occ \
  --source-details file://source-details.json

# ソースから移行可能なアプリを発見(列挙)
oci application-migration source list-source-applications \
  --source-id "$SOURCE_OCID"

# 移行(Migration)リソースを作成
oci application-migration migration create \
  --compartment-id "$COMPARTMENT_OCID" \
  --source-id "$SOURCE_OCID" \
  --application-name my-jcs-app \
  --display-name jcs-to-oci

# 移行を実行し、ワークリクエストで状態を追跡
oci application-migration migration migrate-application \
  --migration-id "$MIGRATION_OCID"

oci work-requests work-request get \
  --work-request-id "$WORK_REQUEST_OCID"

OCI Service

OCI Application Migrationを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

移行・転送

比較で見る軸

クラウド: OCI / カテゴリ: 移行・転送 / 難易度: basic

導入後に効く点

ソースと移行(Migration)の2リソースで、JCS・SOACS・Integration Classic などを発見して移行した。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
OCI
カテゴリ
移行・転送
難易度
basic
関連資格
設計柱
operational

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「移行・転送 / operational」に近いか確認する。
  • 強みである「Oracle Cloud Infrastructure Classic(OCI-C)上の PaaS アプリを OCI へ移すための移行サービスだった。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

移行・転送operational