SaaSの製品プロフィール

Workday

クラウドサービス / 人事・従業員

Workday は、米国 Workday 社が提供する大企業向けのクラウド基幹業務サービスです。人事・人材管理(HCM)と財務管理(Financials)を単一のクラウド基盤に統合し、グローバルに展開する大規模組織の「人」と「お金」にまつわる基幹データをまとめて扱います。

3つの要点
TL;DR
  1. 採用・配置・人材育成・タレントマネジメント・後継者計画などの HCM 機能を、社員台帳を中核に統合的に提供する。
  2. 会計・予算・経費・調達といった財務管理を同一プラットフォームで扱い、組織・人員の動きと費用を結びつけて把握する。
  3. 労務・人材管理の効率化に向く

製品の概要

製品の立ち位置

製品・技術の概要WorkdayWorkday は、米国 Workday 社が提供する大企業向けのクラウド基幹業務サービスです。人事・人材管理(HCM)と財務管理(Financials)を単一のクラウド基盤に統合し、グローバルに展開する大規模組織の「人」と「お金」にまつわる基幹データをまとめて扱います。
顧客数
1.15万+世界
契約利用者
7,500万人+Workday全体
Fortune 500
65%+導入比率
年間処理
1.4兆件トランザクション
この製品の強み
採用配置人材育成タレントマネジメント後継者計画などの HCM 機能を社員台帳を中核に統合的に提供する会計・予算・経費・調達といった財務管理を同一プラットフォームで扱い、組織・人員の動きと費用を結びつけて把握する。
向いている場面
労務人材管理の効率化大企業向け HCM
提供形態
クラウドサービス
主な対象
人事従業員
比較の中心
手続きと人材活用
カテゴリ
人事 / 労務HR)
公開資料の確認値Workday IR

選定ガイド

選定ポイント

採用する理由と、事前に受け入れるべきトレードオフを分けて確認します。

採用に向く条件

選ぶ理由

  1. 採用・配置・人材育成・タレントマネジメント・後継者計画などの HCM 機能を、社員台帳を中核に統合的に提供する。
  2. 会計・予算・経費・調達といった財務管理を同一プラットフォームで扱い、組織・人員の動きと費用を結びつけて把握する。
  3. 多国籍の組織運用を前提に、複数通貨・多言語・各国の制度に対応したグローバル運用を支える。

事前に確認する条件

考慮すべき点

  1. 個人情報と権限管理が重要
  2. 既存環境との互換性と移行方法を確認する
  3. 初期費用だけでなく運用負荷まで比較する

詳しい解説

製品を詳しく理解する

どんなサービスか

Workday は、米国 Workday 社が提供する大企業向けのクラウド基幹業務サービスです。人事・人材管理(HCM)と財務管理(Financials)を単一のクラウド基盤に統合し、グローバルに展開する大規模組織の「人」と「お金」にまつわる基幹データをまとめて扱います。

「結局なに?」を一言でいえば、大企業向けの統合 HCM/財務クラウドで、組織・人員と予算・コストを同じデータモデルの上で結びつけて管理することを狙ったサービスです。

Workday は、ERP 大手の出身者らが 2005 年に「最初からクラウドで動く基幹システム」を掲げて創業した会社です。オンプレミス前提で発展した従来型の人事・会計システムとは異なり、当初からマルチテナント型 SaaS として設計されている点が出発点で、欧米を中心に大企業・グローバル企業の HCM 領域で広く採用されてきました。現在は HCM を核に、財務・調達・人員計画・人材分析までを束ねる基幹プラットフォームとして位置づけられています。

横にスクロール

Workdayで従業員・組織・ポジション・報酬・原価組織のビジネスオブジェクトを関連付け、採用・異動・退職などのイベントを承認・確認・統合ステップと適用日を通して反映する経路、セキュリティグループ・ドメイン・業務プロセス権限、REST・SOAP・レポート連携と失敗監査を示す図
Workdayでは人・組織・ポジション・財務のオブジェクト関係を、業務プロセスの履歴付きイベントで変更します。参照・変更を守るドメイン権限と、承認操作を守る業務プロセス権限を分け、連携用利用者にも同じ最小権限を適用します。

主な特徴

人事と財務を同じ基盤で扱い、組織・人員と予算・コストを一体で把握できることが中心的な価値です。

  • 採用・配置・人材育成・タレントマネジメント・後継者計画などの HCM 機能を、社員台帳を中核に統合的に提供する。
  • 会計・予算・経費・調達といった財務管理を同一プラットフォームで扱い、組織・人員の動きと費用を結びつけて把握する。
  • 多国籍の組織運用を前提に、複数通貨・多言語・各国の制度に対応したグローバル運用を支える。
  • 役職や部門ごとに閲覧・操作できる範囲を細かく制御する権限管理と、監査に耐えるガバナンス機能を備える。
  • 人事・財務のデータを横断した分析やレポート、人員計画(ワークフォースプランニング)に活用できる。
  • パソコンとモバイルの双方から利用でき、申請・承認などの日常操作を現場の従業員やマネージャーが直接行える。

会計だけ、人事だけといった単機能ツールの寄せ集めではなく、人・組織・お金のデータが一つにつながることが Workday を選ぶ主な理由になります。

仕組み・アーキテクチャ

Workday の大きな特徴は、利用企業すべてが同一バージョンのサービスを共有するマルチテナント型 SaaS である点です。利用者はブラウザやモバイルからアクセスし、サーバーやデータベースの構築・パッチ適用は提供側が担います。機能は提供側から定期的に更新され、利用企業ごとに古いバージョンを長期間使い続ける運用にはならない設計です。

データの見せ方にも独自性があります。Workday は、利用者や連携処理にデータベースの表を直接意識させるのではなく、組織・社員・職位・取引といった業務上の概念をビジネスオブジェクトとして関連付けます。人事と財務が別々のデータ定義に分かれず、同じオブジェクトモデルの上に乗ることで、組織変更や人員の動きを費用・予算の見え方へ結び付けられるのがアーキテクチャの要点です。

拡張・連携の面では、設定(コンフィグレーション)を中心に業務へ合わせる思想が採られます。標準を直接書き換えるのではなく、ビジネスプロセス(申請・承認の流れ)やレポート、計算ロジックを画面上で組み立てる方式が基本で、外部システムとは API や連携基盤(Workday 上の連携機能)を通じてデータをやり取りします。これにより、提供側のバージョンアップを受け入れながら独自要件を載せられるようにしています。

定期アップデートを止められない

Workday は提供側が定期的に新機能を適用する形式で、利用企業がアップグレード時期を完全に止めることはできません。標準を作り込みすぎず、設定・ビジネスプロセスの層に独自要件を寄せておくと、更新の影響を受けにくくなります。

主なユースケース・向き不向き

複数国・多数の従業員を抱え、人事と財務の基幹システムをグローバルで統一したい大企業に向きます。国ごとにばらばらの人事・会計システムを使ってきた組織が、社員台帳と会計を一つの基盤に集約し、組織横断で人員配置やコストを把握したい場面で選択肢になります。とりわけ、人材データの分析・人員計画・タレントマネジメントといった「人を起点にした経営判断」を重視する企業で採用されやすい傾向があります。

一方で、中小規模で、まず入退社や給与計算といった労務手続きを手軽に効率化したいという目的には、国内の労務クラウドのほうが導入も運用も軽くなります。Workday は基幹システムとしての統合と規模対応に強みがある分、要件定義・データ移行・業務の標準化を伴う計画的な導入が前提になります。日本固有の税制・社会保険・商習慣に関わる細かな要件は、国内特化サービスのほうが標準で手厚いこともあり、導入時には設定やパートナーによる作り込みを見込む必要があります。

導入は全社プロジェクト

基幹システムの導入は、ソフトを入れて終わりではなく、業務の標準化やデータ移行を伴う大規模な取り組みです。専門の導入パートナーや社内体制を整えたうえで、対象範囲を絞って段階的に進めるのが現実的です。

SAP S/4HANA Cloud との比較

同じ大企業向けのクラウド基幹システムでも、出発点と守備範囲の中心が異なります。Workday は HCM を核に財務へ広げてきたのに対し、SAP S/4HANA Cloud は会計・販売・購買・生産といった ERP 全般を核にしています。

観点WorkdaySAP S/4HANA Cloud
核となる領域人事・人材管理(HCM)を核に財務へ拡張会計を核にした ERP 全般
出自初期からクラウド専業で設計オンプレ ERP の後継をクラウド化
強み人材データの統合・分析・人員計画販売・購買・生産まで含む業種別の広さ
主な対象グローバル大企業の人事・財務統合大企業・グローバル大企業の基幹業務統合

販売・購買・在庫・生産まで含めた製造・流通の基幹業務を一気通貫で統合したい場合は SAP のような ERP が中心になり、人と組織を起点に人事・財務を統合し人材活用や人員計画まで踏み込みたい場合は Workday が選ばれやすい、という整理ができます。両者は競合しつつ、財務系では棲み分けや連携が検討される関係にあります。

料金・エコシステム

Workday はサブスクリプション型のプロプライエタリ(非 OSS)サービスです。料金は一般に、利用するモジュール(HCM・財務・人員計画など)と従業員数・利用規模を積み上げる形で構成され、企業ごとの個別見積もりとなります。導入時には初期構築(実装)費用が別途かかるのが一般的で、自社の要件規模に応じて総額は大きく変わります。最新の料金体系やプランは変動するため、公式情報や提案を通じて確認するのが確実です。

エコシステム面では、認定された導入・連携パートナーが多数存在し、業種や地域に応じた実装を支援します。給与・勤怠・福利厚生・採用といった周辺サービスや既存の基幹システムとは、API や連携機能を通じてデータをやり取りでき、Workday を人事・財務の中核に据えつつ周辺を組み合わせる構成が組めます。

費用は構成で大きく変わる

モジュール・利用人数・カスタマイズ量によって費用も運用負荷も変わります。最初から全領域を入れず、まず HCM など中核から導入し、定着を見ながら範囲を広げると無理がありません。

導入・運用上の注意点 / 評価

Workday は設定の自由度が高い反面、ビジネスプロセスやレポートを作り込みすぎると複雑化し、バージョンアップ時の検証負荷が増えます。標準機能で代替できないかを確かめ、独自の作り込みは必要最小限にとどめるのが運用を軽く保つコツです。提供側の定期アップデートは止められないため、テスト環境での事前検証を運用サイクルに組み込んでおくと安全です。

導入効果は、人事・財務のデータが一つにつながってこそ生きます。社員台帳や組織・勘定科目といった基礎データを導入時に整理し、社内の入力ルールや承認フローをそろえておくことが、後々のレポート精度と運用のしやすさを左右します。

評価としては、国・部門ごとに分断されがちだった人事・財務データを単一基盤に集約し、人員配置やコストを組織横断で見渡せる点が大きな価値です。反面、その効果は計画的な導入と運用設計に支えられるため、対象範囲の絞り込みとデータ整備、社内体制の準備をどこまで丁寧に行えるかが成否を分けます。

コツ

スモールスタートが有効です。全領域を一斉に入れるのではなく、まず HCM など優先領域で成果を出し、運用が定着してから財務や人員計画へ広げると、定着と統合の両立がしやすくなります。

SaaSの選定ポイント

Workdayを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

労務・人材管理の効率化

比較で見る軸

顧客数: 1.15万+ / 契約利用者: 7,500万人+ / Fortune 500: 65%+

導入後に効く点

会計・予算・経費・調達といった財務管理を同一プラットフォームで扱い、組織・人員の動きと費用を結びつけて把握する。

先に潰すリスク

個人情報と権限管理が重要

数字・仕様の読み方
顧客数
1.15万+
世界
契約利用者
7,500万人+
Workday全体
Fortune 500
65%+
導入比率
年間処理
1.4兆件
トランザクション

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「労務・人材管理の効率化 / 人事・従業員」に近いか確認する。
  • 強みである「採用・配置・人材育成・タレントマネジメント・後継者計画などの HCM 機能を、社員台帳を中核に統合的に提供する。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「個人情報と権限管理が重要」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

労務・人材管理の効率化人事・従業員大企業向け HCM人事 / 労務(HR)手続きと人材活用クラウドサービス
参考: Workday IR
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