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IPアドレスとサブネット(CIDR)

ネットワーク上の住所であるIPアドレスを、どこまでが“町名(ネットワーク部)”でどこからが“番地(ホスト部)”かで区切る仕組み。/24 のようなCIDR表記の読み方まで。

中級IPアドレスサブネットCIDRインフラ最終更新: 2026-06-04
TL;DR要点だけ先に
  • 1.IPアドレスは「ネットワーク部(どのネットワークか)」と「ホスト部(その中のどの機器か)」に分かれ、境界を決めるのが サブネットマスク。
  • 2.CIDR表記 /24 は「先頭24ビットがネットワーク部」という意味。/24 なら 2^(32-24)=256、使えるホストは -2 で 254 台。
  • 3.10.x / 172.16〜31.x / 192.168.x は社内専用の プライベートIP。外に出るときは NAT で変換される。

IPアドレスの形(IPv4 と IPv6)

IPv4 は 32ビット の数値で、8ビットずつ4つに区切って 192.168.1.10 のように書きます(各ブロックは 0〜255)。組み合わせは約43億通りしかなく、すでに枯渇しています。

その後継が IPv6 で、128ビット2001:db8::1 のように16進数を : で区切って書き、アドレス空間は事実上無限(約3.4×10³⁸)です。連続する 0 のブロックは :: で1回だけ省略できます。

IPv4IPv6
長さ32ビット128ビット
表記192.168.1.10(10進・4ブロック)2001:db8::1(16進・8ブロック)
アドレス数約43億(枯渇済み)約3.4×10^38(事実上無限)
区切り文字.(ドット):(コロン)
例の用途今もLAN内で主流モバイル網・新規網で普及中

ネットワーク部とホスト部

1つのIPアドレスは、前半の ネットワーク部 と後半の ホスト部 に分かれます。

  • ネットワーク部 … 「どのネットワーク(サブネット)に属するか」。同じ町名にあたる
  • ホスト部 … 「そのネットワーク内の何番目の機器か」。番地にあたる

同じネットワーク部を持つ機器どうしは、ルータを介さず直接通信できます。違えばルータ(ゲートウェイ)経由になります。この「どこで前半と後半を区切るか」を決めるのが、次のサブネットマスクです。

サブネットマスクと CIDR表記

サブネットマスクは、ネットワーク部のビットを 1、ホスト部のビットを 0 で塗りつぶした32ビットの値です。たとえば先頭24ビットがネットワーク部なら、

11111111.11111111.11111111.00000000  ← マスク
255      .255     .255     .0          ← 10進表記

これを毎回書くのは長いので、1 が連続する個数 だけを書くのが CIDR(サイダー)表記 です。上記なら /24192.168.1.0/24 と書けば「192.168.1.0 から始まる、先頭24ビットがネットワーク部のまとまり」を意味します。

CIDRサブネットマスクホスト部ビット使えるホスト数
/24255.255.255.08254
/25255.255.255.1287126
/26255.255.255.192662
/28255.255.255.240414
/30255.255.255.25222
/16255.255.0.01665534

ホスト数の数え方

ホスト部が n ビットなら、そのネットワークに入るアドレスは 2ⁿ 個。ただし、

  • 先頭アドレス(ホスト部が全て 0)= ネットワークアドレス(そのネットワーク自身を指す。機器に振れない)
  • 末尾アドレス(ホスト部が全て 1)= ブロードキャストアドレス(同一ネットワーク全員宛て。機器に振れない)

この2つは予約済みなので、実際に機器へ割り当てられる数は 2ⁿ − 2 です。/24 なら 2⁸ − 2 = 254台

“−2” を忘れて足りなくなる

/24 を「256台入る」と数えると、ネットワークアドレスとブロードキャストの2つ分ズレます。さらに実運用では デフォルトゲートウェイ(ルータ)が1つを消費するので、実質の空きはもう1つ少なくなります。設計時は余裕を持って。

プライベートIPとパブリックIP

IPv4 のうち、社内・家庭内ネットワーク専用として誰でも自由に使ってよい範囲が決められています(RFC 1918)。インターネット上では重複OK・ルーティングされません。

区分範囲CIDRよく見る例
クラスA相当10.0.0.0 〜 10.255.255.25510.0.0.0/8大規模な社内網
クラスB相当172.16.0.0 〜 172.31.255.255172.16.0.0/12Docker等
クラスC相当192.168.0.0 〜 192.168.255.255192.168.0.0/16家庭のWi-Fi

これらのプライベートIPからインターネットへ出るときは、ルータが送信元を グローバルIPへ書き換えます。これが NAT です。なお 127.0.0.1(localhost)は自分自身を指すループバックアドレスで、これも特別枠です。

サブネット分割(サブネッティング)

大きなネットワークを、用途ごとに小さく区切ることを サブネット分割 といいます。CIDRの数字を 大きくする(マスクを伸ばす)と、ネットワークは小さく・数は多くなります。

例:192.168.1.0/24(254台)を /26 で4分割すると、各64アドレス(使えるのは62台)の4ブロックになります。

サブネット範囲ネットワークアドレスブロードキャスト
1個目 /26192.168.1.0 〜 .63192.168.1.0192.168.1.63
2個目 /26192.168.1.64 〜 .127192.168.1.64192.168.1.127
3個目 /26192.168.1.128 〜 .191192.168.1.128192.168.1.191
4個目 /26192.168.1.192 〜 .255192.168.1.192192.168.1.255
境界は“ブロックサイズ”で考えると速い

/26 のホスト部は6ビット=ブロックサイズ 64。なので区切り目は 0, 64, 128, 192 と64刻みで並びます。CIDRからブロックサイズ(2のホスト部乗)を出せば、ネットワークアドレスは暗算でも追えます。

つまずきポイント

  • CIDRの数字が大きい=ネットワークは小さい/24 より /26 の方が狭い(直感と逆になりがち)
  • ホスト部が全0/全1のアドレスは機器に振れない。割り当て可能なのは「−2」した範囲
  • 同じサブネットかどうかは“ネットワーク部の一致”で決まる192.168.1.10/24192.168.2.10/24 は別ネットワークで、直接は通信できずルータが要る
  • プライベートIPはそのままでは外に出られない。NAT による変換が前提
マスク不一致は“沈黙の不通”を生む

両端でサブネットマスクがズレていると(例: 片方 /24、片方 /25)、相手を「同じサブネット内」と誤判定してルータに渡さず、ping は通らないのにケーブルもIPも正しく見えるという厄介な障害になります。疎通不良ではまずマスクを確認。

ハンズオン

# 自分のIPアドレスとサブネットマスク(CIDR)を確認
ip addr show          # Linux
ipconfig              # Windows

# CIDR から ネットワーク/ブロードキャスト/ホスト数 を一覧表示
ipcalc 192.168.1.0/26

# 経路表を見て、どのネットワークがどのゲートウェイ行きか確認
ip route              # Linux
route print           # Windows

名前解決やゲートウェイ越しの通信とあわせて、DNSNAT、ルーティングの全体像である TCP/IP も押さえると理解が立体的になります。

ネットワーク Article

IPアドレスとサブネット(CIDR)を実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

IPアドレス

比較で見る軸

難易度: intermediate / カテゴリ: ネットワーク / タグ数: 4

導入後に効く点

CIDR表記 /24 は「先頭24ビットがネットワーク部」という意味。/24 なら 2^(32-24)=256、使えるホストは -2 で 254 台。

先に潰すリスク

用語だけ覚えても、設計・実装・運用でどこに効くかを確認しないと判断を誤る。

数字・仕様の読み方
難易度
intermediate
カテゴリ
ネットワーク
タグ数
4

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「IPアドレス / サブネット」に近いか確認する。
  • 強みである「IPアドレスは「ネットワーク部(どのネットワークか)」と「ホスト部(その中のどの機器か)」に分かれ、境界を決めるのが サブネットマスク。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「用語だけ覚えても、設計・実装・運用でどこに効くかを確認しないと判断を誤る。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

IPアドレスサブネットCIDRインフラIPアドレスサブネットCIDRインフラ
参考: 公式情報