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HeatWave / Autonomous Database
OCI のマネージドRDB。MySQL HeatWave はトランザクションと分析(OLTP/OLAP)を1基盤で、Autonomous Database は自動運用のOracleDBを提供する。AWS の Amazon Aurora に相当。
- 1.高性能マネージドRDBで Aurora に相当する立ち位置。
- 2.HeatWave は OLTP と分析を ETL なし1基盤で高速処理。
- 3.Autonomous DB は Oracle を自己運用。用途で選ぶ。
解決する課題
- 分析のために MySQL から別のDWH(データウェアハウス)へ ETLでコピーする手間と遅延 をなくしたい
- DB の パッチ・チューニング・バックアップといった運用作業を自動化 したい
- 標準的なマネージドMySQL/Oracleより 高い性能とスケール が欲しい
- トランザクションと分析、さらに 機械学習・ベクトル検索を同じDB で完結させたい
主要概念と用語
- MySQL HeatWave: マネージド MySQL(
oci mysql db-system)。OLTP に加え、HeatWave クラスタを足すと分析・ML が同居する - HeatWave クラスタ: インメモリ・列指向の分析エンジン。データを 複数ノードに分散保持 してスケールアウトする(最大512ノード級)
- Autonomous Database (ADB): 自己運用 Oracle DB。ワークロード別に ATP(トランザクション)/ ADW(データウェアハウス)/ AJD(JSON)/ APEX を選ぶ
- ECPU / OCPU: 課金・割当の計算単位。新規は ECPU が推奨(OCPU は旧来単位)
- Autoscaling: ADB は CPU/ストレージを 基準値の最大3倍まで自動拡張。HeatWave も自動スケール対応
- HeatWave AutoML / Lakehouse / GenAI: DB内で機械学習・オブジェクトストレージ上データの直接分析・生成AIを実行する拡張
仕様・制限・クォータ
- HeatWave DB システムは アベイラビリティドメイン(AD) に配置。
is-highly-availableで 3 ノード(1プライマリ+2セカンダリ)構成にすると複数ADへ分散しフェイルオーバーする - HeatWave クラスタは メモリにデータをロードして処理するため、対象データ量に応じてノード数を見積もる
- ADB は ECPU 最小2(Serverless)、ストレージは TB 単位で指定。Autoscaling で基準の3倍まで伸縮
- Always Free 枠あり(ADB は最大2インスタンス、HeatWave は条件付き)。検証に使える
- 管理者パスワードは要件あり(HeatWave は8〜32文字、ADB は12〜30文字で大小英字・数字を含む等)
内部の仕組み
MySQL HeatWave は、行指向の InnoDB(OLTP用)と、列指向インメモリの HeatWave エンジン(OLAP用)を1つのMySQLに統合しています。クエリオプティマイザが分析的なクエリを自動で HeatWave 側へオフロードし、変更は InnoDB から HeatWave へ自動同期されるため、利用者は ETL を書かずに同じテーブルへ SQL を投げるだけで済みます。HeatWave クラスタはデータをノード間に分割(パーティション)して並列処理し、ノードを足すほどスケールします。
Autonomous Database は Oracle Exadata 基盤の上で、パッチ適用・インデックス作成・統計収集・バックアップ・障害復旧を自動で行う「自己運用(self-driving)」DBです。OLTP 向けの ATP と DWH 向けの ADW で内部の最適化が切り替わります。
普通のマネージドMySQLは「OLTP用DB+別のDWHへETL」が定番。HeatWave は 同じDBに列指向エンジンを同居させ、ETLなしで分析できるのが最大の差です。Aurora が「ストレージ分離で高速・高可用」を売りにするのに対し、HeatWave は OLTPとOLAPの統合、ADB は 運用自動化 が売りです。
設計パターン / ベストプラクティス
- HTAP(混在ワークロード): トランザクション処理と分析を分けず、HeatWave クラスタを追加して1基盤に集約。レポート用DBの二重持ちをやめる
- 本番は高可用構成: HeatWave は
--is-highly-availableを有効化し、複数ADへ冗長化。ADB は標準でExadataの冗長性を享受 - 計算とストレージを需要に追従: ADB / HeatWave の Autoscaling を有効化し、ピークだけ自動でCPUを伸ばす
- ワークロードでサービスを選ぶ: 純トランザクションなら ATP、分析中心なら ADW、JSON中心なら AJD。MySQL 資産があるなら HeatWave
運用・監視
- OCI Monitoring / メトリクスで CPU・接続数・HeatWave のメモリ使用量・クエリ性能を監視
- バックアップは 自動バックアップ + 手動バックアップ。ADB は 保持期間内の任意時点へ復元(point-in-time) が可能
- パッチ・アップグレードは ADB が完全自動。HeatWave は メンテナンスウィンドウで管理
- 障害時は HA 構成なら セカンダリへ自動フェイルオーバー(接続はエンドポイント経由で継続)
コスト
計算(ECPU/OCPU)とストレージが課金の中心です。HeatWave は分析を足すと HeatWave ノード分が加算されます。
| 課金要素 | 内容 | 最適化のコツ |
|---|---|---|
| DB システム(OLTP) | MySQL/Oracle の ECPU(またはOCPU)+ストレージ時間課金 | ワークロードに合うシェイプ/ECPU数を選ぶ |
| HeatWave クラスタ | 分析ノード数 × 稼働時間 | 分析が不要な時間帯はクラスタを停止/縮小 |
| ストレージ・バックアップ | データ量・バックアップ保持に応じて従量 | 保持期間を要件に合わせて短縮 |
| Autoscaling | 基準ECPUの最大3倍まで自動伸縮 | 常時上限ではなくピークのみ伸ばし無駄を抑える |
| Always Free / BYOL | 無料枠 / 既存Oracleライセンス持ち込み | 検証は無料枠、本番はBYOLで割引 |
セキュリティ
- 保存データは デフォルトで暗号化。鍵は OCI Vault(KMS) で管理し、顧客管理キー(CMK)も利用可能
- DB は プライベートサブネットに配置し、セキュリティリスト / NSG(ネットワークセキュリティグループ) で接続元を最小化
- IAM ポリシーで操作権限を制御。アプリ資格情報は OCI Vault のシークレットに保管する
- ADB は mTLS / TLS 接続(ウォレット)を標準とし、通信を暗号化
DB をパブリックサブネットに置き、0.0.0.0/0 で全開放するのは厳禁。プライベートサブネット + NSG で接続元を限定し、資格情報はコードに直書きせず OCI Vault に保管してください。
関連サービス・比較(AWS との対応)
| 観点 | OCI HeatWave / Autonomous DB | AWS Amazon Aurora |
|---|---|---|
| 位置づけ | OCI の高性能マネージドRDB | AWS の高性能マネージドRDB |
| エンジン | MySQL(HeatWave) / Oracle(ADB) | MySQL / PostgreSQL 互換 |
| 分析(OLAP) | HeatWave 列指向エンジンを同居(ETL不要) | 別途 Redshift 等へ連携が基本 |
| 運用自動化 | ADB は自己運用(パッチ/チューニング自動) | マネージドだが手動運用要素は残る |
| スケール | ECPU/ストレージ Autoscaling(基準の3倍) | リードレプリカ最大15 / Serverless v2 |
| 可用性 | HA構成(複数AD) / Exadata冗長 | 6コピー(3AZ×2)・高速フェイルオーバー |
| 計算単位 | ECPU / OCPU | インスタンスクラス / ACU(Serverless) |
ハンズオン / CLI例
# MySQL HeatWave の DB システムを作成(プライベートサブネットへ配置)
oci mysql db-system create \
--compartment-id ocid1.compartment.oc1..xxxx \
--display-name app-heatwave \
--shape-name MySQL.HeatWave.VM.Standard.E3 \
--subnet-id ocid1.subnet.oc1..xxxx \
--availability-domain "AD-1" \
--admin-username admin \
--admin-password 'Ex4mple_Pass!' \
--data-storage-size-in-gbs 100 \
--is-highly-available true
# Autonomous Database(ATP / トランザクション用)を ECPU で作成
oci db autonomous-database create \
--compartment-id ocid1.compartment.oc1..xxxx \
--db-name appatp \
--display-name app-atp \
--db-workload OLTP \
--compute-model ECPU \
--compute-count 2 \
--data-storage-size-in-tbs 1 \
--admin-password 'Ex4mplePass123' \
--is-auto-scaling-enabled true
# DB システムの一覧を確認
oci mysql db-system list \
--compartment-id ocid1.compartment.oc1..xxxx \
--output table
OCI Service
HeatWave / Autonomous Databaseを実務で読む
TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。
解決すること
データベース
比較で見る軸
クラウド: OCI / カテゴリ: データベース / 難易度: intermediate
導入後に効く点
HeatWave は OLTP と分析を ETL なし1基盤で高速処理。
先に潰すリスク
サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。
- クラウド
- OCI
- カテゴリ
- データベース
- 難易度
- intermediate
- 関連資格
- —
- 設計柱
- reliability / performance / cost / operational
判断チェックリスト
- 自社の用途が「データベース / reliability」に近いか確認する。
- 強みである「高性能マネージドRDBで Aurora に相当する立ち位置。」が本当に評価軸になるか確認する。
- 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
- 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
- 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
- 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。
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役割が近いサービスです。設計の置き換えや比較検討の参考に。